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匠気
「匠気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
匠気の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
する。終りッ!」 スルト側《そば》から水戸の川又子、俳号を五|茶《さ》と申す、宗
匠気取りで、 ああら天狗一夜の宿を貸し給え と駄句《だく》れば、 「アーメン」....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
り落ちて行く事と安心して聴いていただきたい。――ただいま正木会長の御演説中に市気
匠気《いちきしょうき》と云う語がありましたが、私の御話も出立地こそぼうっとして何....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
出て行ってもらいたい」 「イヤ、許せ、許せ」 対馬守は、かえってその一本気の工
匠気質《こうしょうかたぎ》に、おもしろそうに眼を細めて、 「護摩堂の守護《まもり....
「歌集『仰日』の著者に」より 著者:宮本百合子
ら、それを破壊するより、そこに新しい真実と実感がもられるように、歌壇の下らない宗
匠気風にしみないみなさまの御努力が希われます。 登龍のむずかしいアララギ派に云....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、もうすっかり消磨しているのですから、そこで主膳の書道に於ては、衒気《げんき》、
匠気というものから、頼まないのに解放されて、独《ひと》りを楽しむという高尚な域に....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ことを忘れて眺めました。安井曾太郎が来たら私はこれをかくしてしまうわ。この大家の
匠気はきらいです。ゴッホは春の杏の白い花をあの独特の水色と朱で何と美しく心をかた....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
毫を当時の浅草区長の町田今輔が雕板したものだそうだ。慾も得もない書放しで、微塵も
匠気がないのが好事の雅客に喜ばれて、浅草絵の名は忽ち好事家間に喧伝された。が、素....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
なければ給金が打てませんのにさ」 伊「あの刀に就いて少し心に当る事があるから、師
匠気の毒だが船を言付けるから一緒に万年町まで往ってくれないか」 正「へえ、何処へ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
った者の心が永遠に画として遺る。心に邪があれば邪が――心に堕気があれば堕気が――
匠気があればまた
匠気のあとが蔽い隠しようもなく遺る。 人の肉体は消えても墨は消....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
れるものを見ても、どこかに、素人らしい稚拙はあって、決して、職業画家の陥りやすい
匠気や俗技を帯びていないところに、特長がある。また、そこに武蔵画としての、おもし....