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「医す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

医すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
霊訓」より 著者:浅野和三郎
る。凡そ世に充たされざる渇望ほどつらいものはない。で、彼等は何とかしてこの苦痛を医すべく、昔|馴染の魔窟に出入して、恰度自分に誂向きの犠牲者を捜し出し、人知れず....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
を仰ぎながら行く。湯気にくもるランプの光で、人夫の肉体美を見ながら、一日の疲労を医す。帰りには、帳場によって、峠を越えてくる人夫を待つのが一番楽しみだ。小包でも....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
をもって、一種の奇法を唱うるものあり。その法、婦人の発明せるところにして、万病を医するに、従来の医方と全く異なりたる方法を用うという。政教子曰く、これ、わがいわ....
迷信解」より 著者:井上円了
をとりて茄子を嫌うに至りたりといい、また小児の頭にオデキのできたるときは、これを医するに「驫」の字をその上に書く。その意は、俗にオデキのことをクサと名づくるゆえ....
妖怪学」より 著者:井上円了
は、ひとり小児の疳病に限らず、虫歯を治するにこの法を用うるものあり、また、諸病を医するに、この法を唱うるものあり。しかして曰く、「病根となりし虫を抜き去るなり」....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ら口移しに夫人にレモナーデ水を与えました。何もしらぬ夫人は、灼けつくような渇きを医すため、夢中になってその甘酸っぱい水をゴクリと咽喉にとおしたとき、青酸加里のカ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
を飲めば、身既に仙化す。温泉は塩類泉にや、硫黄の気の鼻を衝かぬも、病なき身の疲を医するには、いとうれし。このあたりは河原広く、かつ長く、川の中に巨大なる蓬莱巌あ....
単独行」より 著者:加藤文太郎
大絶壁にて下るを得ず引返して谷に下りてみれば道あり、水の出でたるところありて渇を医す、大キレットに下り、これより北穂高に取付く、そこにて松本の人(早稲田)大阪(....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
三家者とも云ったのであった。袋中和尚の「泥※の道」には、いわゆるエタも非人も、獣医すなわち伯楽も、関守、渡し守、弦差すなわち犬神人などの徒をも、みな一緒にして三....
茶美生活」より 著者:北大路魯山人
生となるからである。もし名器名幅を具えざる茶道学校があり得るとすれば、それは渇を医する飲料を教うる栄養学校であるかも知れない。茶の粉に変わりはないとしても、コー....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
、※の固まったような河床を穿って、水が潺湲と流れている。私達は始めて今朝来の渇を医することを得た。 丈に余る笹を押分けて、広々した黒木の林に出る。唐檜や黒檜の....
花吹雪」より 著者:太宰治
にずいとはいり申候。酒不足の折柄、老生もこのごろは、この屋台店の生葡萄酒にて渇を医す事に致し居候。四月なり。落花紛々の陽春なり。屋台の裏にも山桜の大木三本有之、....
蒲団」より 著者:田山花袋
は誰にでもある煩悶で、この年頃に賤しい女に戯るるものの多いのも、畢竟その淋しさを医す為めである。世間に妻を離縁するものもこの年頃に多い。 出勤する途上に、毎朝....
イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
の虚偽である。之こそ最も悪質な、最も度し難い、執拗なる虚偽ではないだろうか。之を医すにはもはや良心を証明する処の、一つの批判的技術である。 科学の歴史的社会的制....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ら孤立して、暮らしてゆくことである。二人でいて苦しむ時には、たがいにその苦しみを医することができない時には、それを激烈ならしむるのは必然の勢いである。自分の苦し....