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医員
「医員〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
医員の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
だまっ黒な立ち姿が見えるばかりでだれとも見分けがつかなかった。しかし手術のために
医員の一人が迎えに来たのだと思われた。それにしても障子《しょうじ》のあく音さえし....
「青木の出京」より 著者:菊池寛
た。雄吉はその男女の組合せが変なので、最初から好奇心を持っていた。すると、そこへ
医員らしい男が現れた。その
医員はその四十男と、かねてからの知合いであったと見え、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
好んで寺院や病的心理を扱う小城魚太郎の短篇中にも――殺人を犯そうとする一人の病監
医員が、もともと一労働者にすぎないその患者に、医学的な術語を聴かせ、それを後刻の....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
い丸顔の人でした。なんでも以前、S病院の看護婦をしていたそうですが、美貌のために
医員たちがうるさく騒ぎ寄るので、職業を変更してデパートに勤務することにしたのだそ....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
いておられた。それがいかにも楽しそうで、ちっとも不自然なところがない。私は先輩の
医員の後ろの方から、先生の如是態度を覗見ながら、先生の「問診」がすなわち既に「道....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
す。K病院では整形外科の手術室のすぐ前に産室があります。当時毛沼博士は整形外科の
医員に友人があり、旨く頼み込んで、妻が出産をする前夜に、始終整形外科に出入してい....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
と手狭で、そうした支障のために少しでも出炭率の低下するのを恐れたからでもあった。
医員の仕度が出来て救護室へ下って来た知らせを受けると、係長は、とりあえず二つの屍....
「二重人格者」より 著者:小酒井不木
らない。 しかし、その患者に附いていた看護人は、不馴れであったため、すぐさま、
医員を呼びに行かないで、患者に向って、そのナンセンスなことを告げた。すると患者は....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
と思いますと、お気の毒にもなって来ます。 昭和六年一月一日、朝から元気で病院の
医員たちの年賀を受けられましたが、午後書斎へはいられて、突然発病されたらしく、誰....
「春」より 著者:岡本かの子
せておどおどした。 診察室の入口の一角を衝立で仕切って、病歴ノートを控えた若い
医員が椅子に坐って居た。看護婦は男患者を其処へ連れて行った。妻女もあとから随って....
「卑怯な毒殺」より 著者:小酒井不木
込まれて居たのだ。そうして人々は僕が災難のために負傷したものと考えたのだが、僕は
医員の一人に自殺を企てたことを話したよ。そうして、何とかして自殺の意思を遂げさせ....
「紫外線」より 著者:小酒井不木
村病院の応接室すなわち木村博士殺害の現場には、白井刑事が、今一人の刑事と二人で、
医員や看護婦を尋問しておりました。警察医は、すでに検死を終わったと見えて、木村博....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
えると、直ぐ一年志願兵に出て軍隊附になった、その経験のある上に、第二病院の外科の
医員で、且つ自宅でも診察に応じている。 口寡で、深切で、さらりと物に拘らず、そ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
ため、卵巣切開手術をうけるべく、政江はわざ/\京都医大に入院した。が、知り合いの
医員は一人も居らず、たった一人、頭の禿に見覚えのある守衛がいた。彼は五円紙幣を無....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
麻酔がさめないんです。昏々と眠りつづけていて――、頗る憂慮すべき容態だそうです。
医員達は非常に心配しています、家族の者も皆馳けつけて、病室に詰めきっているんです....