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「医書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

医書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
失望とをいだきながらその家を出た。帰途葉子は本屋に立ち寄って婦人病に関する大部な医書を買い求めた。それは自分の病症に関する徹底的な知識を得ようためだった。家に帰....
芽生」より 著者:島崎藤村
る限りの力を尽しつつあることなぞを話してくれた。その時、学士は独逸《ドイツ》語の医書を私の前に披《ひら》いて、小児の病理に関する一節を私に訳して聞かせた。お房の....
蠅男」より 著者:海野十三
どういう風な研究ですか」 「さあ、それは存じませんわ」 「この家を調べてみると、医書だの、手術の道具などが多いのですよ」 「ああそれで皆さんは父のことをドクトル....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
アルコールランプが置いてあった。 試験管が置いてあった。 そうして彼は蘭語の医書を、むずかしい顔をして読んでいた。 そこには次のように書いてあった。 「…....
大脳手術」より 著者:海野十三
そうだ。この新なる予感が、重苦しい恐怖となって私の全身を責めつける。 私は一日医書を繙き、「若返り法と永遠の生命」の項について研究した。その結果得た結論は次の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
施すことも親切であるが、それを研究することも根《こん》がよく、ひまがあれば古今の医書を繙《ひもと》いて、細かに調べているのだが、どうしたものか先生の病で、「医者....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
意表に出でた文句の変化であって、前段に読み来《きた》ったところのものは、たしかに医書であります。その医書のうちの会心のところ、道庵からいえばかなり手前味噌になり....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
んの空罎が、船の揺れ動くのにつれて、隅で一緒にがちゃがちゃ音を立てていた。先生の医書が一冊テーブルの上に開いてあって、その紙が半分ほども引きちぎってあった。煙草....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
鎖港論《さこうろん》を空吹く風と聞き流し、率先《そっせん》して西洋事情の紹介や、医書、究理書の翻刻に力を入れ、長崎や横浜に仕入れの出店を持って手びろく舶載物《は....
ミミズ酒と美女」より 著者:佐藤垢石
わが国ではあちこちで昔から下熱剤として蚯蚓を煎じてのむ習慣がある。 また支那の医書に蚯蚓は諸熱を解し、小便を利し、足疾を治すと書いてあるが、私の故郷上州では、....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
性質が謹厳でしたが、同時に放胆な一面もあったそうで、趣味も広かったので、蔵書には医書の外に歌集、詩集、俳書などもあったのです。その中に橘守部の『心の種』があった....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
定則である。彼は毒物のことを書いた書物を請求したが、驚いたことに日本語で書かれた医書は悉く貸し出されて居た。「やっぱり、みんな生命が惜しいからであろう」と、考え....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
を入れて見ると幾分か温気がある。首筋を持って見ると非常に堅くなって居る。私も多少医書を見たことがあるですが、こりゃどうも脳に充血したものであろうという考えで、そ....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
先ず是はどうも極難症で、脱疽に相違ない、至極の難症にして多く鬼籍に入るを免れずと医書に有る、鬼籍というのは過去帳のことで、仏さまの過去帳につくを免れずと云うのは....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
、玄関番、薬局係、診察や手術の助手、往診のカバン持ちを一手に引き受け、夜に先生の医書を借りて勉強をする。夢中になって本を写しているまに夜の明けることもしばしばだ....