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匿
「匿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
匿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
尊は、見慣れぬ女菩薩《にょぼさつ》の姿じゃと申す事でございます。」
「では、波斯
匿王《はしのくおう》の妃《きさい》の宮であった、茉利《まり》夫人の事でも申すと見....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
のたるかは尼提の知っているところではない。ただ彼の知っているのはこの舎衛国の波斯
匿王《はしのくおう》さえ如来の前には臣下のように礼拝《らいはい》すると言うことだ....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
の大工の子は、四十日の断食しかしなかったようである。
又
悉達多は車
匿《しゃのく》に馬轡《ばひ》を執《と》らせ、潜《ひそ》かに王城を後ろにした。が、....
「聖書の読方」より 著者:内村鑑三
然るに今時の聖書研究は如何? 今時の聖書研究は大抵は来世抜き、「千世経し磐よ我を
匿せよ」との信者の叫は殊に審判の日に於て発せらるべきものである、而して此観念が強....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
な庵室があってよ。そこに秀蓮尼という尼さんが棲んでいるから、その人にわけを言って
匿まってもらうといいわ。分って?」 「ああ、分りました。ありがとう、ありがとう、....
「階段」より 著者:海野十三
曲線をうつした写真が出た。それは多分、三階のどこかに学士が危険を慮って、秘かに隠
匿して置いたものであろう。それには明らかに、所長殺害事件のあの時刻に佐和山女史の....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
二月十七日 ◯本日よりモラトリヤム施行。 その他関係法令として物価制限令や隠
匿物資供出令なども出る。これにて本当に物価が下ってくれればいいが、どうなるのであ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
かし微行なんだから、特別にわしをお客さまあつかいしてもらっては困る。それからあの
匿名寄附者がわしであることは、今回救援に出発する少数の幹部にだけは打ちあけてくれ....
「骸骨館」より 著者:海野十三
ことであるが、恥の上塗りのようなかんばしくない事件がおこった。それはこの工場に隠
匿物資があるはずだとて、大がかりな家さがしが行われたのである。その結果、一部のも....
「風波」より 著者:井上紅梅
いた。 七斤ねえさんは七爺の顔を見ると、せい一杯にお世辞笑いをして「天子様がお
匿れになったら、いずれ大赦があるのでございましょうね」 「大赦ですか――大赦はい....
「朝顔日記の深雪と淀君」より 著者:上村松園
て人知れず愛着の思いを舒べているところに跫音がして、我にもあらず、その扇を小脇に
匿した、という刹那のところを一度描いたことがあります。淀君はまだ描いて見ませぬがいずれ一度は描いてみたいと思います。....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
―かかることの絶えざる繰りかえしであった。彼は高飛びをするとか、あくまで盗みを隠
匿するとかいう智能は持たなかった。近所の、様子のよく分っている家の米俵をかついで....
「活人形」より 著者:泉鏡花
これからちよいと行って来る処がある。御当家へ迷惑は懸ないから、帰るまでああして蔵
匿て置いて下さらないか、衣服に血が附てたり、おどおどしている処を見ると、邪慳な姑....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に到着せるとき、これを左へ転廻せしめ巧みに凹地及び小丘阜を利用しつつ我が企図を秘
匿してロベチンス村に入り、横隊に展開せしめた。 午後一時大王は梯隊をもって前進す....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
が出たので、ぼくは心配して、魯迅にしばらくかくれた方がいいだろうというて無理から
匿れさせた。ぼくの家の近いところに、花園荘というぼくの友達のやっているアパートが....