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「十二分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

十二分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
校正後に」より 著者:芥川竜之介
第九号) ○夏目先生の逝去《せいきょ》ほど惜しいものはない。先生は過去において、十二分に仕事をされた人である。が、先生の逝去ほど惜しいものはない。先生は、このご....
星座」より 著者:有島武郎
子にとまっている一匹の蝿にすべての注意を向けようとした。 しかも園が……清逸が十二分の自信をもって掴みうべき機会を……今までの無興味な学校の課業と、暗い淋しい....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
それを前からちゃんと知っていたのです。政治家でなければ、いちいち国の能率を本当に十二分にあげることは不可能ですよ。科学は政治家に征服されてこそ、真の偉力を発揮す....
ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
から響いたそういう声は、意外にもまぎれもない恩師の声だった。 「ただいまは八時五十二分三十一秒です」 「そうか、七秒の遅れだ。するとスピードは充分五万キロは出て....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
を見てからにしろとしいて止めるのも聞かず、君は素足にかちんかちん頭巾をかぶって、十二分に身じたくをしてから出かけたらいいだろうとみんなが寄って勧めたけれども、君....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
明かに拒んでいる。私の生活動向の中には、もっと深くもっとよく己れを愛したい欲求が十二分に潜んでいることに気づくのだ。私は明かに自己の保存が保障されただけでは飽き....
振動魔」より 著者:海野十三
無いことを彼の屍の上に積みかさねたことだったろう。柿丘秋郎は、その間の雰囲気を、十二分に知っていた。 (もうこれは駄目だ。最後の覚悟をしよう)とまで、決心した彼....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、是非必要です。監視哨は、高い櫓の上に、昼といわず夜といわず上って、眼と耳とを、十二分に働かしていなければならぬのです。誰かいい人を思付かれたら、どうか教えて下....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
がりこむように飛び乗った。 「オイ大急ぎだ。銀座のキャバレー・エトワールへ。――十二分以上かかると、貴様も病院ゆきだぞ!」 運転手は何故そんなことを云われたの....
三十年後の世界」より 著者:海野十三
これらの物資を十分に有効に使い、それから三ヶ月間火星に踏みとどまって火星の探検を十二分に果たし、その翌年早々無事に地球へ帰還した。 もちろん一行は大歓迎を受け....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
金博士から妖術を教わってきたのではあるまい」 醤主席の言葉は、油学士の自尊心を十二分に傷つけた。 「どうもそれはけしからん仰せです。かりそめにも、科学と技術と....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
ミの身体が全く純潔を保たれていたという意外なる事実であった。ミチミの信念と勝気は十二分に証明せられた。 もう一つは、彼女の犯行がいつも一定の条件のもとに突発し....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
啓示と一般民衆――汝の疑惑の存するところはよく判る。われ等はこれから右に就きて、十二分に所見を述べようと思う。われ等はわれ等の使命の、神聖なることを信じて疑わぬ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
かっしゃい、差配さまの謂うのには、作平、一番念入に遣ってくれ、その代り儲かるぜ、十二分のお手当だと、膨らんだ懐中から、朱総つき、錦の袋入というのを一面の。 何....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
だけでも資源はすばらしく豊富にある。殊にその地理的配置が宜しい。我らが科学の力を十二分に活用し、全国力を綜合的に運用し得たならば、必ずや近き将来断じて覇道主義に....