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十二階
「十二階〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十二階の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ら、
「女なんてものは退屈だぜ。上《かみ》は自動車へ乗っているのから下《しも》は
十二階下に巣を食っているのまで、突っくるめて見た所が、まあ精々十種類くらいしかな....
「放送された遺言」より 著者:海野十三
たら彼の頭上にあたる棟木がまっ二つに破れて彼に蔽いかぶさった。ガスタンクの爆発と
十二階が倒れるような音響と家鳴り振動。バリバリと何ものとも知れず降りかかる。 ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、かの女の様子を探るつもりであった。 雷門で電車を下り、公園を抜けて、千束町、
十二階の裏手に当る近所を、言われていた通りに探すと、渡瀬という家があったが、まさ....
「一坪館」より 著者:海野十三
源一は、一つのヒントをつかんだ。 摩天閣 源一はヘーイ少佐に相談をして、
十二階のはりだし式になった一坪館をつくることになった。 これは十階までが一坪で....
「超人間X号」より 著者:海野十三
すがに不安になって来たのだ。 「Z27号、おまえはいまどこにいる」 「はい、地下
十二階におります」 ラウドスピーカーから機械人間の声が聞こえた。 「地下十六階....
「火星探険」より 著者:海野十三
そのとたんに心臓が停まる程のおどろきにぶつかった。機関室は二階から地下十階までの
十二階をぶっ通した煙突《えんとつ》のような部屋だった。その艇長の部屋に、複雑な機....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
った。 時|正に一九四一年二十三月であった。 ここはワシントンの白堊館の地下
十二階であった。その一室の中で大統領ルーズベルトのひびのはいった竹法螺のような声....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
颯と出る灰の吹雪は、すッと蒼空に渡って、遥に品川の海に消えた。が、蔵前の煙突も、
十二階も、睫毛に一眸の北の方、目の下、一雪崩に崕になって、崕下の、ごみごみした屋....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
ます。 歯ごたえがありすぎる! ああ、そうですか、そうですか。 でも、もう第
十二階選士になられたのですから、これくらいの歯ごたえがないとお気の毒に存じまして....
「妖婦」より 著者:織田作之助
が、二十一の時兵隊にとられて二年後に帰って来ると、すぐ家の金を持ち出して、浅草の
十二階下の矢場の女で古い馴染みだったのと横浜へ逃げ、世帯を持った翌月にはもう実家....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
込んだ気色だった。 折々――というよりは煩さく、多分下宿屋の女中であったろう、
十二階下とでもいいそうな真白に塗り立てた女が現われて来て、茶を汲んだり炭をついだ....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
では活動写真館が軒を並べてイルミネーションを輝かし、地震で全滅しても忽ち復興し、
十二階が崩壊しても階下に巣喰った白首は依然隠顕出没して災後の新らしい都会の最も低....
「西航日録」より 著者:井上円了
う。故をもって、市中高層の家屋の多きこと、また世界第一なり。その最も高きものは三
十二階に達し、浅草
十二階の三倍なり。ゆえに余、一吟して曰く、 街路如碁十里連、層....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
は多くの船が繋留され、岸辺は家屋が丘を作りあげている。街なかに入れば仰ぎみる、三
十二階建ての高層ビル。) 北米車行三首(北米車行三首) 米野連涯。 (北米の....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
千束町にまだ私娼の多かった頃の夜の景色を覚えている。それは窓ごとに火かげのさした
十二階の聳えているために殆ど荘厳な気のするものだった。が、この往来はどちらへ抜け....