十五夜[語句情報] »
十五夜
「十五夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十五夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たので、さし当り七月二十六夜の月待ちには高台や海岸に群集する者もなかった。翌月の
十五夜も月見の宴などは一切遠慮で、江戸の町に芒《すすき》を売る声もきこえなかった....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ずとその墓の前に立った。 「おこよの死んだのはいつだっけね」 「先月……ちょうど
十五夜の晩でしたよ」 「
十五夜か」と、長次郎はすこし考えていた。「一体あの娘《こ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
を飼ってくださいと云った。虫の話がすんで風鈴の話が出た。それから今夜は新暦の八月
十五夜だという話が出た。 「暦が違いますから八月でもこの通り暑うござんすよ。これ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
小鳥を売っている野島屋の店さきに、草履取りをつれた一人の侍が立った。あしたの晩は
十五夜だというので、芒売りを呼び込んで値をつけていた亭主の喜右衛門は、相手が武家....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
を自由に変えるか、こちらの方からは到底知れなかったし、六時頃その行手にあらわれる
十五夜の月の影響が、一体どうであろうかを考えたのである。 夕方になった。私達は....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
あろう。それから十月の初めまで私は毎日この湯にかよっていた。九月二十五日は旧暦の
十五夜で、わたしはこの湯屋の前で薄を持っている若い婦人に出逢った。その婦人もこの....
「恐竜島」より 著者:海野十三
ぞ。出かけようか」 三人はそっと船を出した。 そのころになると月があがった。
十五夜に近い円い月だ。東の空から青白い光をなげている。それが唯一の灯《あかり》だ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
の奥山椿、萌黄の紋付、文金の高髷に緋の乙女椿の花を挿す。両方に手を支いて附添う。
十五夜の月出づ。 白雪 ふみを読むのに、月の明は、もどかしいな。 姥 御前様、お....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
現われて、一種の懐しさを感じる。殊に今もしみじみと哀を覚えるは、夕顔の巻、「八月
十五夜、くまなき月影、隙多かる板屋、残りなく洩り来て」のあたり、「暁近くなりにけ....
「月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
一 E君は語る。 僕は七月の二十六夜、八月の
十五夜、九月の十三夜について、皆一つずつの怪談を知っている。長いものもあれば、短....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
くなった。まあ、帰るとしよう。 阿香 いいじゃありませんか。(袖をひく。)今夜は
十五夜だから、一緒にお月様を拝みましょうよ。 高田 (躊躇して。)それにしても、....
「風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
であろう。それから十月の初めまで私は毎日この湯に通っていた。九月二十五日は旧暦の
十五夜で、わたしはこの湯屋の前で薄を持っている若い婦人に出逢った。その婦人もこの....
「はなしの話」より 著者:岡本綺堂
陽城内へしばしば買物に出てゆく。それが中秋の月を祭る用意であることを知って、もう
十五夜が来るのかと私たちも初めて気がついた。それがいよいよ今夜となって、私たちは....
「影」より 著者:岡本綺堂
がら、今夜は供えるのを忘れてしまった。 旅人 十三夜ですか。(考える。)先月の
十五夜は……ここらも好い月でしたか。 重兵衛 いい月でしたよ。 旅人 (何かの....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
て天気ことに清朗、一輪の明月北天に懸かり、清輝客庭に満つ。このときまさしく旧八月
十五夜に当たり、南球の春天に三五の明月を仰ぐは、生来未曾有の奇観にして、また一大....