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「十八番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

十八番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
なると、製鉄所の門から押し出されて、隠れ家の方へ歩いて行った。一丁ほども行って、十八番館の煉瓦塀《れんがべい》について曲ろうとしたとき、いきなり僕の左腕《さわん....
深夜の市長」より 著者:海野十三
何かに吸引されて、運動が遅くなるのだという。なにから何まで磁力とは、まるで歌舞伎十八番の「毛抜」みたいなことになったものである。 「……次に僕はあの時計が、どの....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
女給で「カフェ・ネオンの惨劇」の一|花形であるわけだが――から「またオーさんのお十八番よに電気で殺して貰えなどと言われると、岡安先生は眼を一ぱい見開いたまま、一....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
は千鳥のために、美しい口笛を吹きならしたのであった。その歌はいわずと知れた彼女の十八番の「赤い苺の実」の歌だった。 千鳥もそれに力を得たか、騒ぐのをやめてシャ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
てしまった。彼は狂わしげに法水を見て、「法水君、この自殺の奇異な点だけは、君が、十八番のストイック頌讃歌からショーペンハウエルまで持ち出してきても、恐らく説明は....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
て、『私の家へは店から火事だと電話が掛った。処が中途でプツリと切れたので、直ぐ二十八番を呼出そうとすると、丸善は今焼けてるという交換局の返事だから、そりゃ大変と....
地獄の使者」より 著者:海野十三
ち洗い清めたものなら、なぜそうすることの必要があったのだろうか……」 「また君の十八番を辛抱して聞いていなきゃならないのかね」 警部は煙草を出して、燐寸をすっ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
チミは、テーブルの向うから、杜の顔をのぞきこむようにして囁いた。 「またいつもの十八番が始まったネ。今夜はもうおよしよ」 「アラいいじゃないの。あたし、あの話が....
初雪」より 著者:秋田滋
の犬につけてやったりした。 良人は彼女に猟のはなしをして聞かせた。それが良人の十八番だった。自分が鷓鴣に出あった場所を教えたり、ジョゼフ・ルダンテューの猟場に....
キド効果」より 著者:海野十三
た。 其の日、丘助手は午前中大学に出勤するばんに当っていた。彼は例のとおり第二十八番教室に出て、十四五人の理科の学生のために、「脳組織に於ける電気振動論」を講....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
くは彼は大正の代を見ずして終った。 明治二十八年から二十九年にわたって、歌舞伎十八番の「暫」と「助六」とが歌舞伎座で上演された。今にして思えば、ここらがいわゆ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
大雅でもない。尺寸の小幀でも椿岳一個の生命を宿している。古人の先蹤を追った歌舞伎十八番のようなものでも椿岳独自の個性が自ずから現われておる。多い作の中には不快の....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
長次」を脚色して上演。菊五郎の長次、好評。 ○十一月、歌舞伎座にて団十郎は歌舞伎十八番の「暫」を勤め、連日売切れの大入りを占む。 ○三月、明治座の「堀川」にて、....
俗臭」より 著者:織田作之助
政江の小さな三角型の眼が陰険に光った。正直にいっとくれなはれや、というのは政江の十八番だった。かね/″\伝三郎は嫂に頭が上らず、之に抵抗するのは容易でないのだ。....
四つの都」より 著者:織田作之助
中の『雨だれ』というのを掛けてみてくれ、たしか十六番だ」 鶴三「『雨だれ』なら、十八番だ、蜂谷さんの、だって、雨の音楽だろう?」 三人、笑う。 その楽しそうな、....