十六夜の月[語句情報] » 十六夜の月

「十六夜の月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

十六夜の月の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
遊楽めいたこと等は、すべて遠慮するのが其の時代の習慣であったので、さし当り七月二十六夜の月待ちには高台や海岸に群集する者もなかった。翌月の十五夜も月見の宴などは....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
月を仰いでいた。 「楓どの、あの月を見やれ、綺麗な月ではござらぬか」 「ほんに、十六夜の月はおぼろに鈴鹿山……」 と、楓がうっとりと歌いかけると、佐助は何思っ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
の手はなお残りの団子に及ぶ。蓋し江戸ッ児には花にも月にも団子なるべきかな。 二十六夜の月待ちは、鬼ひしぐ弁慶も稚児姿の若ければ恋におちて、上使の席に苦しい思い....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
きたし、何か前世の因縁で、めぐり逢う事もあろうか、と奥山の庚申塚に一人立って、二十六夜の月の出を待った事さえあるんです。 トこの間――名も嬉しい常夏の咲いた霞....
震災日記より」より 著者:寺田寅彦
とがないと母上が云う。 八月二十七日 晴 志村の家で泊る。珍しい日本晴。旧暦|十六夜の月が赤く森から出る。 八月二十八日 晴、驟雨 朝霧が深く地を這う。草刈....
源氏物語」より 著者:紫式部
設備い婿君を迎えるのに遺憾なくととのえて兵部卿の宮をお待ちしているのであったが、十六夜の月がだいぶ高くなるまでおいでにならぬため、非常にお気が進まないらしいので....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
らせられるだろうからだれにたのんで申し入れよう」などと思いながら南殿の方へ行くと十六夜の月はもう南の御庭をわたって西の中間へさし入って居るけれ共君はよるの御殿に....
黒い驢馬と白い山羊」より 著者:宮本百合子
砕ける月を見たい心持になって来た。月の光にはいつもほのかな香いがあるが、秋の潮は十六夜の月に高く重吹くに違いない。 令子は興津行の汽車に乗った。 勝浦のトン....
月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
かの参考のために見て置くのもよかろうと思ったので、涼みがてらに宵から出かけた。二十六夜の月の出るのは夜半にきまっているが、彼と同じような涼みがてらの人がたくさん....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
額とほの暗く続いた中に、一処、雲を開いて、千手観世音の金色の文字が髣髴として、二十六夜の月光のごとく拝される。…… 欄干に枝をのべて、名樹の桜があるのです。 ....