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十分一
「十分一〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十分一の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
通じた気色《けしき》さえ見えぬ。欽吾の日記に云う。――ある人は十銭をもって一円の
十分一《じゅうぶいち》と解釈し、ある人は十銭をもって一銭の十倍と解釈すと。同じ言....
「佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」より 著者:高村光雲
自分の仕事を済ますと、夜なべをやめて、雛形に取り掛りました。見積りの四丈八尺の二
十分一、即ち二尺四寸の雛形を作り初めたのです。まず坪を割って土台をきめ、しほんに....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
である。鍬を肩にして野ら仕事の出がけに鉢巻とって「今日は」の挨拶からはじめて、三
十分一時間の立話は、珍らしくもない。今日も煙管をしまっては出し、しまっては出し、....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
やさしくしてくれるし、自分ほど果報者はないと、そう申しましてね。――でも私は思う
十分一もできませんで、今でも思い出すたびにもう一度|活かして思う存分喜ばして見た....
「とんびと油揚」より 著者:寺田寅彦
となる。それが死んだねずみであるか石塊であるかを弁別する事には少なくもその長さの
十分一すなわち〇・五ミクロン程度の尺度で測られるような形態の異同を判断することが....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
害は幾何でも無いが、一万三千余種八万巻の書冊は其数量に於てこそ堂々たる大図書館の
十分一将た二
十分一にも過ぎないが、其質に於ては大図書館にこそ及ばざれ、尋常普通の....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
した藩は、準備金のない紙幣を濫発して、その結果廃藩の頃は非常に低下して、半分以下
十分一にもなっていた処があったようだ、そこへ行くと私の藩はかつてもいった、桑名楽....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ので、彼は決心を押し通すことができなかった。彼女は汽車の時間表を取り寄せて、まだ
十分一時間くらいはいっしょにいられる――いっしょにいなければいけないということを....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
「いつ頃また出かけられるだろうね。」
「明日《あした》ですな。」
「明日!」
「
十分一日は手間が取れますよ。旦那は急ぐんですか。」
「大変急ぐんだ。遅くも一時間....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
は、どうして次第に改められなかったか。その原因はやはり俳優自身の社会的存在がまだ
十分一般に認められない、つまり社会的地位が十分に出来なかったということに帰する。....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
分の仕事を済ますと、夜なべをやめて、雛形に取り掛かりました。見積りの四丈八尺の二
十分一すなわち二尺四寸の雛形を作り初めたのです。まず坪を割って土台をきめ、しほん....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
位置いて僧侶にすべての室を貸し与えてしまうという訳ですから、モンラムの時になると
十分一位の市民しか居らないで、全く僧侶ばかりが暮して居るという有様になってしまう....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
造りたい気になって、とても及ばぬとは知りながら毎日仕事を終るとすぐに夜を籠めて五
十分一の雛形をつくり、昨夜でちょうど仕上げました、見に来て下されお上人様、頼まれ....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
にまず最も少く見て、概算百十二三万人としたならば、部落民の総数は内地人総数の約五
十分一、すなわち五十人中に一人ある割合に相当することとなるのである。すなわち内地....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
帰した。 享保三年にも江州甲賀郡森尻村のエタと、非人与次郎との間に、芝居|櫓銭
十分一取打の事について出入りになり、京都へ問い合せに来た事があった。その結果代官....