十年一日[語句情報] » 十年一日

「十年一日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

十年一日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
の課長連が幾人となく更迭しても、彼は相も変らず同じ席で、同じ地位で、同じ役柄の、十年一日の如き文書係を勤めていたので、しまいにはみんなが、てっきりこの男はちゃん....
新生」より 著者:島崎藤村
思ってる分には、幾ら思っていたって差支《さしつかえ》はない――そりゃ差支はない」十年一日のようにある事業家を助けて三つ組の銀盃《ぎんぱい》と金子《きんす》とを贈....
二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
を思いたい。よしそれは別として、長年の間には、もう些と家族が栄えようと思うのに、十年一日と言うが、実際、――その土手三番町を、やがて、いまの家へ越してから十四、....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
、ずっとずっと早くから、あの凄惨きわまる事件を忘れてしまったかのような面持で、何十年一日の如き足どりで化学研究所に通い、実験室に、立籠っていた。研究所の入口で出....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
帯びた口調になっていて、「しかし、その方法となると、相変らず新しい趣向ではない。十年一日のごとくに、犯人は糸を使っているんだよ。ところで、僕の考えていることを実....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
夜道を帰って来るところが、おれの俳諧ですとさ。」 多吉夫婦はそういう人たちだ。十年一日のように、多吉は深川米問屋の帳付けとか、あるいは茶を海外に輸出する貿易商....
」より 著者:島崎藤村
。これはそう旧いことでも無かった。急に、三吉はこの人と親しみを増すように成った。十年一日のような男同士の交際とは違って、何故かこう友情を急がせるようなところもあ....
」より 著者:島崎藤村
彦も愛嬌のある微笑を見せて、 「なんでも人間は信用が無くちゃ駄目だ。俺なんかも、十年一日のごとしで、志ばかり徒に大きいようなものだが、信用を失わないように心掛け....
分配」より 著者:島崎藤村
かべるようになった。 しかし、これはむしろ私の望むところであった。私か、私は三十年一日のような著作生活を送って来たものに過ぎない。世には七十いくつの晩年になっ....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
抗するのを暴行強姦するなんてそんなことはやるべからざる外道だと思っている。そして十年一日の如くノブ子さんを口説きつづけているのだけれども、たぶん暴行によらない限....
神経」より 著者:織田作之助
例えば放送員の話術など、日本国中の人間の耳が一人残らずたこになってしまうくらい、十年一日の型を守っている。放送物語の新劇俳優は例によって分別臭い殊勝な声を、哀れ....
謡曲と画題」より 著者:上村松園
ついて習っていますが今もって上達しません。べつだん上手になろうともしないせいか、十年一日のごとく同じ下手さをつづけている次第です。 謡曲をやっていますと身も心....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ったのである。もっとも有数の秀才で、およそ年紀二十ばかりの時から弟子を取立てた。十年一日のごとく、敬すべき尊むべき感謝すべき心懸けであるから、音楽に長けたる鴨川....
近作鉢の会に一言」より 著者:北大路魯山人
を賞翫する古人今日の動向を察し自己の信念と器学に於て相合する点を作陶の心として、十年一日の如く作陶してまいりました。そして分りましたことは、陶器の美も書画の美も....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
ってるだけだからなあ。お次に、うちの老いぼれ婆さん――つまり、お袋さんときたら、十年一日、明けても暮れても婦人解放論さ。片足は棺桶へ突っこんでるくせに、のこる片....