十手[語句情報] »
十手
「十手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
「おまえは今頃なんでこんな所に忍んでいたのだ」 お冬は黙っていた。 「おれ達は
十手《じって》を持っている人間だ。おれ達の前で物を隠すと為にならねえぞ」と、吉五....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
口惜《くや》しいから」 「口惜しいからどうした。ええ、隠すな。正直にいえ。おらあ
十手を持っているんだぞ。てめえは口惜しまぎれに、兄貴になんか頼んだろう。さあ、白....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
まえ、隠しちゃあいけねえ。こんな野暮なことを云いたくねえが、おれは実はふところに
十手を持っているんだ」 徳寿は俄かに顔の色を変えて、おし潰されたように、小腰を....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
をかかえながら、往来に寝込んでいるから調べるのだ。おれが調べるのじゃあねえ。この
十手が調べるのだ」 半七はふところから
十手を出した。 五 その翌日....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
にならねえか」 「ほほ、随分なことを云う。なんぼあたしだって、撥《ばち》の代りに
十手を持っちゃあ、あんまり色消しじゃありませんか」 「ははは、堪忍しろ。それから....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
し身がまえしながら云った。 「くどいな。早く出ろ、早く立て」と、半七もふところの
十手を探った。 この場の穏かならない形勢が自然に洩れて、玄関に待ちあわせている....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うなれば、はい、はい、申し上げます、申し上げます。これじゃあどうも、あなたの方が
十手を持っているようですね。はははははは。いや、冗談はおいて話しましょう。御承知....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
薄暗い初冬の空をみあげた。「今晩からお十夜でございますね」 「そうだ、お十夜だ。
十手とお縄をあずかっている商売でも、年をとると後生気が出る。お宗旨じゃあねえが、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る血潮が眼にしみて働けない。今度は自分が手をくだす番になって、藤四郎はふところの
十手の服紗を払った。御用と叫んで打ち込んで来る
十手の下をくぐって、松蔵は店を駈け....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
三人は雨支度の旅すがたで、菅笠、道中合羽、脚絆、草鞋に身を固め、半七はふところに
十手を忍ばせていた。道順も先度とは少し違って、上高井戸から烏山、金子、下布田、上....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うか」 「それにも及ぶめえ。多寡が一人だ。何とかなるだろう」と、半七はふところの
十手を探った。 二人は息を嚥んで待ち構えた。 「いや、馬鹿なお話ですね」と、半....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
買ってしまえ。第一手段に失敗したら第二手段、第二手段に失敗したら第三手段……。第
十手段まで行くうちには、必ず成功するように検算はしてあるからねえ」 二人のいう....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
従いぬ。 厚紙もて烏帽子を作りて被り、払を腰に挿したるもの、顱巻をしたるもの、
十手を携えたるもの、物干棹を荷えるものなど、五三人左右に引着けて、渠は常に宮の階....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
しの千の数は揃うので有った。お鉄の亭主の火渡り甚右衛門というのが、お上から朱房の
十手に捕縄を預った御用聞きで、是れが二足の草鞋を穿いていた。飯岡の助五郎とは兄弟....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
いりまして、とんだ御邪魔をいたします。わたくしは神田の三河町に居りまして、お上の
十手をあずかっている半七と申す者でございます。 与兵衛 (おなじく丁寧に。)おお....