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十目
「十目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「島原の乱」より 著者:菊池寛
は二十五日総攻撃と定ったのである。当時城内の武備の有様を見るに石火矢八十挺、二三
十目玉から五
十目玉までの大筒百挺、十匁玉より二
十目玉までの矢風筒三百挺、六匁玉筒....
「魔法修行者」より 著者:幸田露伴
の上に念を馳せるでもない、ただもう行法が楽しいのである。碁を打つ者は五|目勝った
十目勝ったというその時の心持を楽んで勝とうと思って打つには相違ないが、彼一石我一....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
に、一体にこの辺では百坪を一升|蒔と称え、一ツカを三百坪に算し、一升の籾は二百八
十目に量って取立てる、一ツカと言っても実際三百坪は無い、三百坪なくて取立てるのは....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
親子のものであった。桝田屋の親子が協力して水の量目を計ったところ、下坂川で四百六
十目、桝田屋の井戸で四百八
十目、伏見屋の井戸で四百九
十目あったという。その中で下....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ことがありました。ところがこの米沢兵と来たら、七連銃の隊もあるし、火繩仕掛けの三
十目銃の隊もあるし、ミンベール銃とかの隊もある。大牡丹、小牡丹、いれまざりだ。お....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
口に出て、それから小声で囁き合い、三人の所持の金子全部、一歩金三十八、こまがね七
十目ばかり取り集め、門口に捨てられてある小皿の上に積みかさね、足音を忍ばせて立ち....
「創生記」より 著者:太宰治
、やきとり、うなぎの頭、焼ちゅう、泡盛、どこかで誰か一人は必ず笑って居る。これは
十目の見るところ、百聞、万犬の実、その夜も、かれは、きゅっと口一文字かたく結んで....
「連環記」より 著者:幸田露伴
ことだとは思ったが、怖ろしい人の云うことだから、言葉に従って春久は相手になると、
十目ばかり互に石を下した時、よしよしもはや打つまい、と云って押し壊ってしまった。....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
また入獄とは」というのでしきりに見舞いが来る。ところが、入獄の時に体重が十四貫五
十目あった。巣鴨を出る時に較べれば一貫三百五
十目増えている。また先きに巣鴨にはい....
「将棋の鬼」より 著者:坂口安吾
又、碁石を握って、オレが強い、お前なんか、すごい見幕でハッシ、ハッシ、升田白番で
十目ほど勝った。 然し、これがそもそも升田失敗のもと。私や升田のような酒飲みは....
「私の碁」より 著者:坂口安吾
態で、恥を天下にさらす、あさましい話である。 私があんまり布石にヘタクソで、二
十目ちかいダンゴ石が出来上った始末だから、塩入三段も驚いた様子で、あんまり勝っち....
「人の首」より 著者:高村光太郎
の首には汲めども尽きない味がある。彼の顎と眼とは珍宝である。ヨネ ノグチ氏の首も
十目の視る所で、氏の顱頂は殊に美しい。概して詩人の首は好ましく、どこかに本気なも....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
狆の時とは違って、立派に見える方が落第ということにまずなった。 つまり、私は、
十目の見る所、世間に通用する矮鶏をチャボのモデルとする方に考えが決まりましたので....
「馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
はどうしても最高の地位を占めて居る人でございまして、十二分に尊敬すべき人だとは、
十目十指の認めて居るところでございます。なるほど酸いも甘いも咬み分けたというよう....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
難に一と通りならない苦辛をみた。とりわけ自己を批判するに極めて苛酷な人の癖として
十目の見る処『浮雲』が文章としてもまた当時の諸作に一頭地を挺んずるにもかかわらず....