十路[語句情報] » 十路

「十路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

十路の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、マイクロフォンの前で、恭々しく一礼をして下った。すると反対の側から、年の頃は六十路を二つ三つ越えたと思われる半白の口髭と頤髯、凛々しい将軍が、六尺豊かの長身を....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
た年と空宮に年は遷りぬ四十五。 四十五年の御代長く、事|稠き代の御安息無く、六十路あまり一年の御顔に寄する年の波、御魂は慕ふ西の京、吾事終へつと嘘きて、君|逝....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
出しをしなければならなかったので――」 と、その場にすがたを現したのが、もう六十路《むそじ》を越したらしい、鬢《びん》が薄れて、目の下や、頬《ほお》が弛《ゆる....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
公子 歌うてみないか。 侍女五 はい。(朗かに優しくあわれに唄う。) 都路は五十路あまりの三つの宿、…… 公子 おお、それだ、字書のように、江戸紫で、都路と標....
連環記」より 著者:幸田露伴
歌をよませ、自分も歌をよんだが、其歌は随分増賀上人らしい歌である。「みづはさす八十路あまりの老の浪くらげの骨にあふぞうれしき」というのであった。甥の春久上人とい....
神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
くと、魑魅が枝を下り、茂りの中から顕われたように見えたが、早く尾根づたいして、八十路に近い、脊の低い柔和なお媼さんが、片手に幣結える榊を持ち、杖はついたが、健に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
仔細というのは 追って 七兵衛おやじの口から 皆さんのお聞きに入れるでしょう 五十路《いそじ》に近いおやじが まだはたちに足らぬ女の 手を引いて 戻って来たのは....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うし、島原の太夫の身のなる果てだと言う者もあります。 この尼法師、年はもはや五十路《いそじ》を越えているが、その容貌はつやつやしい。机に向って写すは経文かと見....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
袖を着た人を、しかし、その二人はかえって、お米さんを秘密の霞に包みました。 三十路を越えても、窶れても、今もその美しさ。片田舎の虎杖になぞ世にある人とは思われ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
く姿は、あまりにもみじめな没落行ではなかったろうか。 照りかわく ほこり路に 七十路の 人の影 いともちいさし ちさきまま 消えやらぬ そのかげよ 愛憎は げに....
大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
くと、動かせない中老どころだ。廿五年勤続の祝いも五、六年前に済んで、もうやがて五十路にも近かろう。 けれども、おしかさんもまだ水々した年増《としま》だ。四十を....
書記官」より 著者:川上眉山
ち出でたるがごとし。辰弥の耳は逸早く聞きつけて振り返りぬ。欄干にあらわれたるは五十路に近き満丸顔の、打見にも元気よき老人なり。骨も埋もるるばかり肥え太りて、角袖....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
れしうづたかきふみ 親はらからみなつぎつぎにさきだちて ひとりのこりぬ七十路の身の 祖父 森の家は、石州津和野の城主亀井家に代々仕えた典医でした....
白い光と上野の鐘」より 著者:沼田一雅
時、厭《い》やな女を遠去《とおざ》けて、好きな女を貰ってしまった。それが当年|六十路《むそじ》あまりのおばアさんとは、反目《はんもく》嫉視《しっし》氷炭《ひょう....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
文字見えたり。ここの別当橋立寺と予て聞けるはこれにやと思いつつ音ない驚かせば、三十路あまりの女の髪は銀杏返しというに結び、指には洋銀の戒指して、手頸には風邪ひか....