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十軒店
「十軒店〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
十軒店の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
町《おおでんまちょう》、そこから左へ曲がると、もう雛市《ひないち》の始まっている
十軒店《じゅっけんだな》の通りでした。その突き当たりが今川橋、――渡って、土手ぞ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
けるといわぬばかりに、みどり子をひしと抱きながら、泣きなき歩きつづけました。――
十軒店《じゅっけんだな》を左に折れて俗称願人坊主の小路といわれた伝右衛門《でんえ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
頑強におし黙って駕籠を急がせながら、やがて乗りつけたところはその人形町名どころの
十軒店です。――むろん、
十軒店はここをせんどと雛人形を飾りつけ、見に来た者、買い....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
じゃあねえや。お客様の聞えもあらあ。旦那と言いねえ。」 「へえ、旦那――じつは、
十軒店から本銀町まであ、ちゃんとうしろから白眼《にら》んで行きましたんで。それが....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
で御座いかな」という言葉が流行った位だ。 売声で今一つ明治前に名高かったのは、
十軒店の治郎公というのが、稲荷鮨を夜売り歩いた。この治郎公は爺でしたが、声が馬鹿....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
の中心地とすると、人形町の名がどうやらわかってくる。人形屋もありはあったが、室町
十軒店《むろまちじっけんだな》の方が有名でもあり、数も多い。ここの人形商はおやま....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
鼠を持って、好く往来で芸をして銭を貰っていたのを覚えている。美音で思い出したが、
十軒店にも治郎公なぞと呼んでいた鮨屋が、これも美い声で淫猥な唄ばかり歌って、好く....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ま、め――」 と火をぱたぱた煽《あお》ぐ音をさせたり、 「いなりさん――」 と、
十軒店《じっけんだな》の治郎さんの、稲荷鮨《いなりずし》が流してくるようにならな....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
いにさしこみ、物干のおしめに陽炎《かげろう》がたっている。 あすは雛の節句で、
十軒店《じっけんだな》や人形町《にんぎょうちょう》の雛市はさぞたいへんな人出だろ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
たしかにどっかのてるてる坊主がきいたんだとあっしゃあ白眼《にら》んでいますのさ。
十軒店の御連中は四つ前の寅の日にわあってんで出かけやしたがね、お台場へ行き着くこ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
れから母上はいうまでもありませんが、生命がけで大事にしているお雛様がありますよ。
十軒店で近頃出来合の品物じゃあないんだそうで、由緒のあるのを、お夏さんのに金に飽....
「日本橋附近」より 著者:田山花袋
今日の明るい都会に到達する過渡期だったわけですね』こんなことをいってNは笑った。
十軒店があそこでひとつの巴渦を巻いているのは面白い。時の変遷につれて、あの魚河岸....