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「千切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

千切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
スの中からヒロポンのアンプルを取り出し、アンプル・カッターを当てて廻すと、まるで千切り取るように二つに割った。ポンと小気味のよいその音は逃げて行った細君へ投げつ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
んでいた。 近くの木村屋の喫茶店へはいった。ソーダ水のストローをこなごなに噛み千切りながら、友子は妊娠している旨豹一に言った。 豹一ははっとした。友子は白粉....
少女地獄」より 著者:夢野久作
飛び付いて板塀の外へ降りました。それから田圃《たんぼ》の中の畦道《あぜみち》を横千切りに近道をして走りながら、一直線に温泉鉄道の停車場へ来て、やっとこさと終電車....
白髪小僧」より 著者:杉山萠円
ば、 他人《ひと》の話しもきかれねば、何の役にも立たないと、 両方一度に引き千切り、地面の上に打ち付けた。 すると二ツ耳も亦、地面に落ちると一時《いちどき....
間諜座事件」より 著者:海野十三
! 副司令の芸名は、柳ちどり 弦吾は素早く「柳ちどり」と名前をプログラムから千切りとって、隣りにピタリと寄り添っているQZ19同志|帆立介次の掌のうちに、ね....
白妖」より 著者:大阪圭吉
の姿だった。硝子と云う硝子は凡て砕け散り、後部車軸は脆くもひん曲って、向側の扉は千切り取られて何処かへはね飛ばされていた。細々とした附属品なぞ影も形もない。 ....
支那米の袋」より 著者:夢野久作
しいもんだナ。袋の中から耳朶を喰い切るなんて……」 「喰い切ったんじゃねえ。引き千切りかけやがったんだ。だしぬけに……」 「俺あ小便を引っかけられた。コレ……」....
錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
して白壁か白雲の面を見ると、妙なぼんやりした一抹の斑点が見える。すすけた黄褐色の千切り形あるいは分銅形をしたものの、両端にぼんやり青みがかった雲のようなものが見....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
せた。なるほど幽霊ではなさそうだ。 「でも変だね。たしかに命中して腕をとばし脚を千切り……いや、これはこっちのことだが、おれはさびしいや」 「全くこの辺は物騒で....
前進のために」より 著者:宮本百合子
にすぎない」者が「藤森さんやきみ(同志須井一のこと・筆者)やぼくの小説を材料に、千切り大根の切り方の練習でもするつもりらしい。」「中條百合子・小林多喜二――せま....
戯作者」より 著者:国枝史郎
り焦燥をさえ感じて来た。とはいえ嫉妬は感じなかった。むしろ馬琴を早く呼んで、褒め千切りたくてならないのであった。 手錠五十日 明日とも云わず其日即刻、京伝は使....
柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
られねえ。下手人と見られねえものでもねえ。よし」と云うと鬼小僧は、侍の片袖を引き千切り、首を包むと胸に抱き、ドンドン町の方へ走っていた。 数日経ったある日のこ....
鮑の宿借り作り」より 著者:北大路魯山人
から、姿なりに薄く切る。そして、よりうどにきゅうりなどを二寸ぐらいに切り、それを千切りにして下へ敷く。わたは別に外して輪切りにして添える。あしらいものに青じそを....
夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
と、その味はあくどくなる。いのしし肉の分量は、粥の六分の一ほどでよい。だいこんを千切りにしたものを、いのしし肉といっしょに煮て加えることは、だいこんなしから見れ....
夏日小味」より 著者:北大路魯山人
て出す。この際、しょうがの絞り汁二、三滴落とせば、さらに妙である。中身には大根の千切りなどが調和するようである。 白瓜の皮の浅漬けと言い、かつおの中落ちの味噌....