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千切れ千切れ
「千切れ千切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
千切れ千切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白菊」より 著者:夢野久作
透って来た。白々とした女の首や、手足や、唇や、腹部の幻像を、真暗な彼の眼の前に、
千切れ千切れに渦巻かせながら、全身が粟立って、クラクラと発狂しそうになるまで、彼....
「震災日記より」より 著者:寺田寅彦
めている。この便所口から柵を越えて逃げ出した人々らしい。空はもう半ば晴れていたが
千切れ千切れの綿雲が嵐の時のように飛んでいた。そのうちにボーイの一人が帰って来た....
「死因の疑問」より 著者:豊島与志雄
、じっと立っているのです。もう陽は沈んでいましたが、その残照を受けてる赤い雲が、
千切れ千切れに、ゆるやかに西空に流れていました。その雲を眺めながら、清さんはじっ....
「不周山」より 著者:井上紅梅
宙の中に満ち渡った。 彼女は自分の眼をこすった。 薄紅色の大空には、幾重にも
千切れ千切れの薄緑の浮雲が漂い、星がその後に瞬いて光っては消え、光っては消えた。....