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「千慮の一失〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

千慮の一失の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
分らないさ」 「ハハハハ君のような計画好きでもそこまでは聞かなかったと見えるね。千慮の一失か。それじゃ、仰《おお》せに従って渡るとするかな。君いよいよ登りだぜ。....
中西氏に答う」より 著者:平林初之輔
うように「現實」を見損つて「輕薄な概念」に走つたか、或は中西氏が周章《あわ》てて千慮の一失の誤解をやられたかは何人の判斷にでも僕はまかせる。 實を言うと辯明す....
案内者」より 著者:寺田寅彦
い。 このような場合は別として、純粋なまじめな科学者でも、やはり人間である限り千慮の一失がないとは限らない。そして知らず知らずにポツオリの松明に類した実験や理....
十二支考」より 著者:南方熊楠
(三) 民俗 1 さきに猴酒の事海外に例あるを聞かぬと書いたは千慮の一失で、『嬉遊笑覧』十上に『秋坪新語』忠州山州黒猿|善《よ》く酒を醸《かも....
新婦人協会の請願運動」より 著者:与謝野晶子
場」が、そのような旧道徳の中にあろうと想われません。恐らくそれは智者にも免れない千慮の一失でしょう。 それよりも更に私の疑問とする所は、この請願において、平塚....
風博士」より 著者:坂口安吾
疑いもなく地の塩であったのである。蛸博士はこの点に深く目をつけたのである。ああ、千慮の一失である。然り、千慮の一失である。余は不覚にも、蛸博士の禿頭なる事実を余....
科学上における権威の価値と弊害」より 著者:寺田寅彦
らゆる方面で偉大な仕事をした人は自信の強い人である。科学者でも同様である。しかし千慮の一失は免れない。その人の仕事や学説が九十九まで正鵠を得ていて残る一つが誤っ....
多神教」より 著者:泉鏡花
燭の火を一度に消す。) お沢 (崩折れて、倒れ伏す。) 神職 (吻と息して)――千慮の一失。ああ、致しようを過った。かえって淫邪の鬼の形相を火で明かに映し出した....
素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
賞家、愛陶家をしてアッと讃歎せしめんものと、潜行的野望を懐かれた窯であったことは千慮の一失ともいうべきで、このところ永い過去の生活に世の辛苦を嘗め尽くし、思いの....
三国志」より 著者:吉川英治
大将はいったい誰か」と、訊ねた。 そして、馬謖なりと聞くと、彼はわらって、 「千慮の一失ということはあるが、孔明にも、人の用い方に過ることもあるか。山を守って....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
いた。ずいぶん良心的に印刷所を初め編集部でも注意に注意を払っていてくれるのだが、千慮の一失というものであったらしい。しかし、きのう既に、第十巻の杉本氏の原画を見....