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千手
「千手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
千手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
びた家並がある。ここは重衡《しげひら》の東下りのとき、鎌倉で重衡に愛された遊女|
千手《せんじゅ》の前の生れた手越《たごし》の里だという。重衡、斬られて後、
千手は....
「特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
且|遍《アマネ》ク知ラレタルトコロニシテ、例エバ奈良唐招提寺金堂ニ保管セラレアル
千手観音立像ハ、四十臂ヲ有ス。仍リテ本願ハ其ノ出願以前ニ於テ、公知ニ属スルヲ以テ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
います」 「ええ、白らばっくれるな、てめえの襟っ首にぶらさがっているのはなんだ。
千手観音の上這《うわば》いじゃあるめえ。よく見ろ」 六三郎の襟には何かの黒い毛....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
人が、やって来たぞ」そういったのは、旗艦陸奥の士官室に、其の人ありと聞えた剽軽な
千手大尉であった。 「ほほう、どの位、近づいたのか」バットの煙を輪に吹きながら、....
「地獄街道」より 著者:海野十三
たった一つのスイッチを入れたばかりで、こんな巨人のような器械が運転を始め、そして
千手観音も及ばないような仕事を一時にやってのけるなんて……」 「イヤそれより恐ろ....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
、進行せる自動車の車輪だけが逆回りをしたりするような怪異が出現し、舞踊する美人が
千手観音に化けたりするのである。そうして、ひとコマの照射時間にその物自身の線長に....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
つけてその方向を測知するという目的のために、文明国の陸軍では、途方もなく大きな、
千手観音の手のようなまたゴーゴンの頭のようなラッパをもった聴音器を作っている。し....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
について尽力してくださった人々に深く感謝する。 (一九一九・一一・一八於一燈園)
千手観音の画像を見て 自分はこの間、
千手観音の画像を見た。そしてある深い感じに....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
度を取るだけとしても、一揆《いっき》方の諸城より斬《き》って出たならば、蒲生勢は
千手観音《せんじゅかんのん》でも働ききれぬ場合に陥るのである。 明日は愈々《い....
「発明小僧」より 著者:海野十三
信事務』のハンコをペタリと捺して、お住居へ送り返せ!」 多忙病の人に捧げる
千手観音装置 秘書「そりゃ私も忙しくて閉口してますよ。だが、失礼ながら君の名はノ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いて、またその弱々しい光線が、正面の壁に打衝ると、そこ一面にはだかっている十一面
千手観音の画像に、異様な生動が湧き起されて来るのだった。所が、その画像を見詰めな....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
ば、雪空ででもあるように、夜目に、額と額とほの暗く続いた中に、一処、雲を開いて、
千手観世音の金色の文字が髣髴として、二十六夜の月光のごとく拝される。…… 欄干....
「知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
、※利天などいうあり、天人石あり、弥勒仏あり。また梯子を上りて五色の滝、大梵天、
千手観音などいうを見る。難界が谷というは窟の中の淵ともいうべきものなるが、暗くし....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
に水の音が静かにしています。それがどうも能勢の妙見山の景色らしいんですよ。二人は
千手観音を背負っています。木の間がくれの新月が観音様を照らし、御光がさしているの....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
丘陵の如く横たわる半月山や社山の連嶺も、黒木は多いが相当の距離があるので明るい。
千手ヶ原の湖水に接したあたりは、葭やら薄やら禾本科植物の穂先が、午下の太陽から迸....