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千木
「千木〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
千木の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
の紫をもう一度眺め澄してから翁は山に近付いて行った。 山|麓《ふもと》の端山の
千木《ちぎ》たかしる家へ山の祖神の翁は岳神を訪ねた。 一年は過ぎたが不思議とそ....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、ひときわ眼立つ一軒の大厦は、部落の長の邸であろう。あたかも古城のそれのように、
千木や勝男木が立ててある。そうして屋根は妻入式であり、邸の四方に廻縁のある様子は....
「大脳手術」より 著者:海野十三
として、笑いを引込めた。そして硬い顔になっていった。 「事実、迎春館主の和歌宮鈍
千木氏の技倆は大したもんだ。和歌宮鈍
千木氏は……」 「そのワカミヤ、ドンチキとか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「旦那様、旦那、どう致しましょう、いっそ駕籠《かご》を戻しましょうか、それとも
千木良《ちぎら》の方へでも下りてしまいましょうか」 根が正直な土地の駕籠屋だけ....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
お鳥居の下まで行った――毎朝|拍手は打つが、まだお山へ上らぬ。あの高い森の上に、
千木のお屋根が拝される……ここの鎮守様の思召しに相違ない。――五月雨の徒然に、踊....
「夜の靴」より 著者:横光利一
っている―― 千年の古さを保った貴品ある面面の石塊。どの屋根の上にも五つ六つの
千木を打ち違え、それを泛き上らせた霧雨がぼけ靡いて竹林に籠っている。木を挽く音。....
「日輪」より 著者:横光利一
た。卑弥呼は藁戸の下へ蹲踞ると、ひとり菘を引いては投げ引いては投げた。月は高倉の
千木を浮かべて現れた。森の柏の静まった葉波は一斉に濡れた銀の鱗のように輝き出した....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
立派でした。でもそのうちの一棟が、とりわけ高く他の棟から抽んで、しかもその屋根に
千木を立て、社めいた造りに出来ているのが、不思議に思われてなりませんでした。それ....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
、それは一基の燈明なのであった。 何という古風な社だろう! その様式は神明造、
千木が左右に付いている。正面中央に階段がある。その階段を蔽うようにして、檜皮葺の....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
。……心臓の真ン中。……あそこへ鍼を打たれたら、こりゃア、ひとったまりもねえの」
千木は、感にたえたようすで、 「なるほど、うまく企みやがった」 「近所で聞き合わ....
「古事記」より 著者:太安万侶
仰せられて、地の下《した》の石根《いわね》に宮柱を壯大《そうだい》に立て、天上に
千木《ちぎ》を高く上げて宮殿を御造營遊ばされました。 ここにアメノウズメの命に....
「山の人生」より 著者:柳田国男
身で見たものは、東京府|南多摩郡|加住村宮下にある白沢の図、神奈川県|津久井郡|
千木良村に伝わる布袋川渡りの図であったが、後者は布袋らしく福々しいところは少しも....