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「千篇一律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

千篇一律の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
あいえ。俺だって貴様、俺だって貴様……とにかく貴様みたいな偽善者《ぎぜんしゃ》は千篇一律《せんぺんいちりつ》だからだめだよ……なあ西山」 牡蠣《かき》のような....
仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
り消化されて行くところを見ると、まだまだ人気があるに相違なかった。 その筋立は千篇一律である。君父の不慮の死、お家重代の宝物の紛失、忠臣の難儀、孝子の旅立ち、....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
講釈をしたりするは皆同一任務の機械的反覆である。文人も亦生活の鞭に引叩かれる為め千篇一律の著述をする事はするが、本来手の仕事でも足の仕事でも眼の仕事でも口の仕事....
映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
たものである。人間が蟻か何かのように妙にちょこちょこと動くのが滑稽でおもしろい。千篇一律で退屈をきわめる切り合いや追っ駆けのこんなに多く編入されているわけが自分....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
、すべてこれに基づいている。然るにこの語数律は、韻文として最も単調のものであり、千篇一律なる同韻の反復にすぎないから、その少しく長篇にわたるものは、到底|倦怠《....
夜の靴」より 著者:横光利一
悪口を云う。いつものことだが、このごろは特にそれが激しくなって来た。攻撃の仕方は千篇一律、よくあのように同じことを繰返し云えるものだと思うほどで、そのねばりっ気....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
時代の文化を理解することは、ほとんど不可能といってよろしい。足利時代の物語類の、千篇一律に流れているのは、その根柢においていずれも『源氏』を模倣するかで、これを....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
ばならないと。――これが多少調子の差はあるけれど、フランスの五百の検事局の論告が千篇一律に用いるほとんどそのままの文句である。ところで、われわれは実例をまず否定....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
を以て、能《よ》く人々の要に応じ得べきに至るといえども、元来機械製造のものたる、千篇一律《せんぺんいちりつ》風致《ふうち》なく神韻《しんいん》を欠くを以て、単《....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
ルも読めず、スクリーンの訳文にたよる低能な観客においてすらも、東宝、松竹、大映の千篇一律な古臭いものよりも、洋映画のもつ芸術味と、興味の深い筋の運び方、こんこん....
丸の内」より 著者:高浜虚子
、品川より)の眼を知らず識らずの間に楽しませるものは、これ等の屋根の形状である。千篇一律のものでは飽く。俗悪怪奇なものは厭わしい。丸ビルの如き切り取ったような四....
「自然」を深めよ」より 著者:和辻哲郎
地をおのおのその特性によって描いているにかかわらず、結局その作品の核をなすものは千篇一律に同じ観察だという感じを与えるのである。彼らの眼は外形の特性をのみ見て、....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ます。 兄弟というものは、本当に妙なものです。同じ腹から出たという根拠の下に、千篇一律に扱われがちです。世には性質も、顔付きも、趣味も、身体も、一見同じように....