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「千貫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

千貫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
や》の危急《ききゅう》を救うために、三日と云う日限《にちげん》を一日も違えず、六千貫の金《かね》を調達する、恩返しの約束を結んだのです。――おや、誰か戸の外に、....
ぶくぶく長々火の目小僧」より 著者:鈴木三重吉
う一人のぶくぶくは、お腹《なか》がいくらでもひろがるので食べるも/\一どに牛肉の千貫目やパンの千本ぐらいは、どこへ入ったかわからないくらいです。そんな男に腹一ぱ....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
殊更に世に知られた殺人女の名を用いたのか其の点は貴方に分りますまい」 第八十回千貫の重み 第二号の顔形と第一号の顔形とは如何にも先生の謂う通り同人である、....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
い例でこの桶狭間の役に梁田出羽守には、善き一言よく大利を得しめたと云って沓掛村三千貫の地を与えたが、義元の首を獲た毛利新助はその賞梁田に及ばなかった。賞与の末に....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
うのは、美作の国で蔵合につづく大金持、当主一代のうちに溜め込んだ金銀、何万両、何千貫とも見当つかず、しかも蔵合の如く堂々たる城郭を構える事なく、近隣の左官屋、炭....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
棄てて大事ない鐘なら、お前様のお手は待たぬ……身内に仰せまでもない。何、唐銅の八千貫、こう痩せさらぼえた姥が腕でも、指で挟んで棄てましょうが、重いは義理でござり....
火葬国風景」より 著者:海野十三
うに鳴りだした。 「これは棺桶の中だ。棺桶の中に違いない!」 彼の胸には、急に千貫もあろうという大石を載せられたように感じた。棺桶の中に入れられている。いつの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
でなければ白をお渡し申して出直すんだ」 「うーん」 やっとのことで入道が一石、千貫の石を置くような手附《てつき》。 兵馬は番町の伯父の家にいる時、伯父から手....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の手向けをするにも及ぶまい」 「天文《てんもん》十六年の事、原美濃守がこの関所を千貫に積って知行《ちぎょう》している、もし武田勝頼が天目山で討死をせずに東へ下っ....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
出するまでは。 洪水前までは小砂利だけしかなかった河底が、一面に、数百貫、時に千貫の余もあるかと思う岩石でしきつめられ積み重なっているのだ。それは遠く太平洋の....
火の扉」より 著者:岸田国士
母さまのご丹精なのね」 「わしは一俵二俵を目当にしとらんからね。去年はこの村で五千貫から腐らかいたで、今年は、わしがやり方をかえてみただが……」 「へえ、そうす....
鯛と赤蛸」より 著者:佐藤垢石
、一網曳くと五、六百匁から二貫目近い大鯛が五、六百貫も入ることがある。一漁期に五千貫乃至一万貫もの漁があって、網漁師は福々だが、これを見て一本鈎の鯛釣り漁師は、....
赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
のでその女と踊ることとし、踊った。 ところが売れない筈なのだ。まるで錨なのだ。千貫目もありそうな錨なのだ。重いったらない。重いばかりなら可いが沈むんだ。僕に食....
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ」より 著者:神西清
したくなるのであった。…… 丁度この時、彼等は尼僧院の前を通りかかって、折から千貫の大鐘が鳴りはじめた。リイタが十字を切った。 「この尼僧院には私たちのオーリ....
ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
? (彼は度を失っている) エレーナ ああ、なんて厭な話だろう。あたしまるで、何千貫もある荷物を背負って歩いたみたいに、胸がどきどき言っていますわ。でもまあ、よ....