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「千鳥足〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

千鳥足の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
り、割合に人通りがあった。 所がヒョロ/\と右の酔っ払い、対手欲しげに俗に云う千鳥足でよろめいていたのを、通行人は眉をひそめて避けて通ったが、出会頭にぶつかっ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
て其晩は夜食の膳の上、一酌の酔に浮れてそゞろあるき、鼻歌に酒の香を吐き、川風寒き千鳥足、乱れてぽんと町か川端あたりに止まりし事あさまし。室香はお吉に逢いてより三....
東京要塞」より 著者:海野十三
誰がやって来たというのだろうか。 本願寺裏の掘割ぞいの鋪道の方へ、ふらふらと千鳥足の酔漢がとびこんで来た。 「うーい、いい気持だ。な、なにもいうことはねえや....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
何となく自由な走り方をするのが好きだ、一直線でなく、人間の歩行と同じく、多少とも千鳥足で進行するところが、大変自分の心のために安楽と自由を感ぜしめる。 軌道の....
化鳥」より 著者:泉鏡花
物を着た間屋の女だの、金満家の隠居だの、瓢を腰へ提げたり、花の枝をかついだりして千鳥足で通るのがある。それは春のことで。夏になると納涼だといって人が出る。秋は蕈....
ニューフェイス」より 著者:坂口安吾
とになったとき、町内の紺屋へ頼んだノレンが届いてみると「腕自慢、江戸前トンカツ、千鳥足」と意気な書体でそめあげてある。 千鳥波が大変怒ってカケアイに行くと、紺....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
店では一週間用ぐらゐの酒類が、一人で飲むと却々飲みきれない。夜になると外へでゝ、千鳥足で戻つてきて、万年床へもぐりこむ。飲む金がなくなつたら、首をくゝつて死ぬつ....
死と影」より 著者:坂口安吾
踊るような、両手を盲が歩くように前へつきのばし、ピョン/\と跳ねるような不思議な千鳥足となり、あげくに吐いて、つぶれてしまう。殆んど食事をとらず、アルコールで生....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
。 私は若いころスポーツで鍛えたせいか、足腰がシッカリしていて、酒をのんでも、千鳥足ということが殆どない。ところが、アドルムは、テキメンに千鳥足になる。 頭....
裏切り」より 著者:坂口安吾
が目をあいた時には彼氏と彼女はすでに相擁して立ち去った後でした。八千代サンは全然千鳥足だった由です。 その翌日もまた翌日もセラダと八千代さんは一しょに現れ、相....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
なしていたが、右手の道から遊び人ふうの男が、これも酒にでも酔っているのであろう、千鳥足をして現われて来たがドーンと浪人にぶつかった。 が、その時には浪人者は、....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
ドルムの十粒ものんで眠らずに起きていれば、一升の酒に足をとられたことのない男でも千鳥足になるし、ロレツもまわらなくなり、酔ッ払いよりもオシャベリになるものである....
註文帳」より 著者:泉鏡花
ン中へ引越しますと謂うたらば。 差配さん苦笑をして、狸爺め、濁酒に喰い酔って、千鳥足で帰って来たとて、桟橋を踏外そうという風かい。溝店のお祖師様と兄弟分だ、少....
大きなかに」より 著者:小川未明
背中にしょった。そして、みんなと別れて、一人で、あちらにぶらり、こちらにぶらり、千鳥足になって、広い野原を、星明かりで歩いてきたのだ。」と、おじいさんは話しまし....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
生の一団が、高らかに「都の西北」を放吟しながら通り過ぎたかと思うと、ふら/\した千鳥足でそこらの細い小路の中へ影のように消えて行く男もあった。かくして午後十一時....