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午睡
「午睡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
午睡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
藁《むぎわら》の散らばった門口《かどぐち》にじっと膝《ひざ》をかかえたまま静かに
午睡《ごすい》を貪《むさぼ》っている。これは僕の家ばかりではない。どの家の門口に....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
《つち》に両手をついて、
(誠に済みませぬがお通しなすって下さりまし、なるたけお
午睡《ひるね》の邪魔《じゃま》になりませぬようにそっと通行いたしまする。
ご覧....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ものの言いぶりと人のいい顔色が、気を隔かせなければ、遠慮もさせなかった。 「丁ど
午睡時、徒然でおります。」 導かるるまま、折戸を入ると、そんなに広いと言うでは....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
別なる睡眠法を励行していた。それは一日のうちに睡眠を三回に分けて摂ることだった。
午睡三十分――これは勤め先の応接室を内側からロックして、安楽椅子の上で睡る。それ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
初年にかけては大抵の湯屋に二階があって、若い女が茶や菓子を売っていた。そこへ来て
午睡をする怠け者もあった。将棋を差している閑人もあった。女の笑顔が見たさに無駄な....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
そこで仕方がないから、籐の枕をして、また小説を読んだ。そうして読みながら、いつか
午睡をしてしまった。 眼がさめると、階下に大野さんが来ている。起きて顔を洗って....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い真昼過ぎのことであったと申します――館の内部は降って湧いたような不時の来客に、
午睡する人達もあわててとび起き、上を下への大騒ぎを演じたのも道理、その来客と申す....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
よって、神経衰弱の原因は睡眠不足にありと自ら断定して以来、もっぱら熟睡につとめ、
午睡をむさぼることを日課としたから、自然に病気を封じることが出来たのかも知れなか....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
任せて、もとより酒好きであった長十郎は更に杯を重ね、快く酔って、微笑を含んだまま
午睡をした。家の内は物音一つ聞えずにひっそりしている。窓の吊葱に下げた風鈴が折々....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
求をはじめた。ところが秋森家の双生児は、二人ともつい今しがたまで裏庭の藤棚の下で
午睡をしていたので、なにがなんだかサッパリ判らんと答え、犯行に関しては頭から否定....
「蜜柑」より 著者:佐左木俊郎
猫の鼻先には、粥の土鍋と梅干の器物が置かれてあった。廊下の日向には、善三が、猫の
午睡所を占領していた。 「善三があ? 善三。」 お婆さんは、低い嗄れた声で、障....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
ええ、未だ空惚けおるか。おぬしは拙者の腰の印籠を盗みおった。勿論油断して岩を枕に
午睡したのがこちらの不覚。併し懐中無一文の武者修業、行先々の道場荒し。いずれ貧乏....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
険悪にすれからしになりたるも心にくゝ覚え候。どこか秋の虫をきゝ、肱を枕にゆるりと
午睡し得る所はなきかなぞ夢想せられ候。 貴詠ちと御ひまになり候はゞ御認め下され度....
「子をつれて」より 著者:葛西善蔵
へ押かけて行くほかなかった。Kは午前中は地方の新聞の長篇小説を書いて居る。午後は
午睡や散歩や、友達を訪ねたり訪ねられたりする時間にあててある。彼は電車の中で、今....
「蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
救ってやるから、安心して遊んでいろ。おれはあの木のかげへ行って、甲羅をほしながら
午睡をしているから、なにか怖い者が来たら、すぐに俺をよべ。いいか。 蛙 おまえが....