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午飯
「午飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
午飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
次手《ついで》にO君も誘うことにした。不相変《あいかわらず》赤シャツを着たO君は
午飯《ひるめし》の支度でもしていたのか、垣越しに見える井戸端にせっせとポンプを動....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
一
……雨はまだ降りつづけていた。僕等は
午飯《ひるめし》をすませた後《のち》、敷島《しきしま》を何本も灰にしながら、東京....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
――或空想――
保吉《やすきち》は二階の食堂を出た。文官教官は
午飯《ひるめし》の後《のち》はたいてい隣の喫煙室《きつえんしつ》へはいる。彼は今....
「百合」より 著者:芥川竜之介
いっぺん》に過ぎない。
今年|七歳《しちさい》の良平は生まれた家の台所に早い
午飯《ひるめし》を掻《か》きこんでいた。すると隣の金三《きんぞう》が汗ばんだ顔を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
蓮葉帽子の中から、夕映のような顔色。 「お早うござい。」 「何が早いものか。もう
午飯だろう、何だ御馳走は、」 と覗込んで、 「ははあ、鯛だな。」 「鯛とおっし....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
日晴朗なれども浪高し」の号外は出ても、勝敗は容易にわからなかった。するとある日の
午飯の時間に僕の組の先生が一人、号外を持って教室へかけこみ、「おい、みんな喜べ。....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
「ははは、心配なことではないよ。――おかげで腹あんばいも至ってよくなったし、……
午飯を抜いたから、晩には入り合せにかつ食い、大いに飲むとするんだが、いまね、伊作....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
の巻煙草とほんものの巻煙草とを、ちゃんぽんに吸った。そうしたらじきに午になった。
午飯を食ったら、更に気が重くなった。こう云う時に誰か来ればいいと思うが、生憎誰も....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、風呂には及ばないが、顔が洗いたい。手水……何、洗面所を教えておくれ。それから、
午飯を頼む。ざっとでいい。」 二階座敷で、遅めの
午飯を認める間に、様子を聞くと....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
本市だの場末の同業を狙って、掘出しに精々出あるく。 ――好い天気の、この日も、
午飯すぎると、日向に古足袋の埃を立てて店を出たが、ひょこりと軒下へ、あと戻り。 ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
此方も笑い、 「はははは、松が大層待っていました。先生のお肴を頂こうと思って、お
午飯も控えたって言っていましたっけ。」 「それだ。なかなか人が悪い。」広い額に手....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
曲った縁側は、横縦にがやがやと人影が映って、さながら、以前、この立場が繁昌した、
午飯頃の光景ではありませんか。 入乱れて皆腰を掛けてる。 私は構わず、その前....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
しょう」 僕の見たものは錯覚ではなかった。しかし錯覚ではないとすれば、――僕は
午飯の世話にならないうちに姉の家を出ることにした。 「まあ、善いでしょう」 「又....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
も、ともに、吻と一息したのが、いま清水に向った大根畑の縁であった。 ……遅めの
午飯に、――潟で漁れる――わかさぎを焼く香が、淡く遠くから匂って来た。暖か過ぎる....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
そうして、」 「あとで聞いたら何だとさ、途中の都合やら、何やかやで、まだその時お
午飯さえあがらなかった、お弱い身体に、それだもの、夜露に冷えて堪るものかね。」 ....