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「半世紀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半世紀の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
《えんがわ》に並んでいた。が、それ等は腰の高い、赤いクッションの色の褪《さ》めた半世紀前の古椅子だった。信輔はこの二脚の椅子に全中流下層階級を感じた。同時に又彼....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
、単に哲学的な論説としか見なさなかったことは明白である。ところが、この研究は最近半世紀の間において物理学のみならず化学更に生理学の方向においても行われた非常に多....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
わけであるから現代の読者にはあまりに平凡な尋常茶飯事《じんじょうさはんじ》でも、半世紀後の好事家《こうずか》には意外な掘り出し物の種を蔵しているかもしれない。明....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。生を味わう心ではない。ただ生きんがために生きる努力である。ショウペンハウエルは半世紀の昔、Alles Leben Leiden. といった。「生きるは悩み」と....
御萩と七種粥」より 著者:河上肇
に育った子供なら、早くから、色々の彩色を施した美しい絵本になじんでいるけれども、半世紀以上の昔である私の幼年時代には、そんなものは想像することも出来なかった。そ....
」より 著者:金子ふみ子
との交通が開かれた。眠れる国日本は急に目覚めて巨人のごとく歩み出した。一歩は優に半世紀を飛び越えた。 明治の初年、教育令が発布されてから、いかなる草深い田舎に....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
あの人はハンブルグの荷上人夫ではないのです。コロンの郊外に生産工場を持っていて、半世紀来|欧羅巴じゅうの客車と貨物列車へ打ってきた鋲の供給者なのです。あの人の手....
死者の書」より 著者:折口信夫
降りにかかろうとする処が、中だるみに、やや坦くなっていた。梢の尖った栢の木の森。半世紀を経た位の木ぶりが、一様に揃って見える。月の光りも薄い木陰全体が、勾配を背....
地上」より 著者:島田清次郎
然無力であったことは悲しい感情をよび起こした。国民的憂鬱、無論その憂鬱の底には、半世紀に足らぬ時間で急激に吸収した西洋文明の消化しきれない臭気が、物質主義的な荒....
詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
詩語・未来文体はどうして現れて来るか。これも空想としてやり過したくない。必、過去半世紀に渉る日本詩人たちの努力が、無意識ながらそうした方向に向いていただろう。そ....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
伺った二番町の福羽氏の邸宅はどの辺かと尋ねても、知っている人がありません。何しろ半世紀どころか、七十年も前のことですから。 電話 電話は文明の利器ですけ....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
なくてはならない。――この要求をみたすに最も適わしい形式が、ツルゲーネフこのかた半世紀を洋々として流れて来ているロシヤ的インテリ小説の伝統の中に見出されることは....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
香とも言うべきもの。それがドイツ語にもフランス語にも訳されて広く欧米人に、出版後半世紀ならんとする今も、かなり広く読まれるのもけだしこのためにほかならぬ。 そ....
フランス料理について」より 著者:北大路魯山人
フランス料理の声価は、世界第一のごとく誇大に評判され、半世紀以上に渉って、われわれ日本人を信じさせてきた。フランスに派遣された役人たち....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
知らず身に沁みこんでくる、潜行的な雰囲気だった。この雰囲気の危険なことは、四分の半世紀以前に、エセックスの父を絶望と死に導いたほどであった。 ふしぎの国――愛....