半人[語句情報] »
半人
「半人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
いが、なお純粋の神とはいわれなかった。生きとし生けるものの中では資格に於ていわば
半人半神の座に置かるべきものであった。 娘の福慈《ふくじ》の神もそれをいい、純....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。多分光の神、これはヘシオドにだけ出てくる名である。 (注二) クレイオス。半神
半人、ポントスの娘の一人、ユウリュビア(Eurybia)の婿である。 (注三) ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
復一の何ものにも捉われない心は、夢うつつに考え始めた――希臘の神話に出て来る半神
半人の生ものなぞというものは、あれは思想だけではない、本当に在るものだ。現在でも....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
であろう。中学の二年生にできることといったら、大したことではない、おそらく刑事の
半人前の仕事もできないであろう。しかし熱心に一生けんめいにやるなら、熱心でない大....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
の鮎の鱗も光る。隈なき月を見るにさえ、捨小舟の中にもせず、峰の堂の縁でもせぬ。夜
半人跡の絶えたる処は、かえって茅屋の屋根ではないか。 しかるを、わざと人間ども....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
という顔付で、その人を眺めていると、彼等はすぐに言葉を添えた。 「お前はどうして
半人前の秀才にもなれないのだろう」 この言葉は孔乙己にとっては大禁物で、たちま....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
いる一種の巡査としての鬼と、現世の深山、たとえば、丹波の大江山等に住んでいるこの
半人半怪の惨酷なる奴と、もっと幽霊らしい、死して鬼となるといったような一種の悪霊....
「おびとき」より 著者:犬田卯
は安ものだから、いくら喫んでも頭がすっきりしてこねえ。」 「でれ助親爺め、仕事は
半人前も出来ねえくせに、口ばかりは二人前も達者だ。五十銭三十銭の村の交際も出来ね....
「錦紗」より 著者:犬田卯
のものはすでに子供まで産んでいるし、ただの一度も結婚ばなしのないなどというものは
半人だっていなかった。バスの中から声をかけてくれたあのお梅さんだって、そのうしろ....
「米」より 著者:犬田卯
返した。そして由次も――彼はもう三年も前から百姓仕事に引っ張り出されていたので、
半人分以上、いや大人に近いまでの仕事をやってのけたのである。 二 次....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
り成り、その面積総計四千八百五十方マイル、人口二千五十人なれば、一方マイルにつき
半人に満たざる割合なり。しかして牧羊の数は七十万頭ありという。全島山岳なく、また....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
それが助けになるのは、まだ三年もあとのことであつた。一町五段歩の田圃を、神経痛で
半人前も働けない自分一人でやり了せる見込は、源治にはどうしても立たなかつた。タミ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
師が、越前の山中、永平寺に籠られた目的は、いわゆる一個半個の道人を打得して(一人
半人の理想的人格者を作り上げて)、将来、国民に呼びかけさす手段のためでありまして....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
時の例の隔離舎に使用していたものであろう。 ところで特にこの仙北地方に、他では
半人または間人などと呼ばれた小作百姓のことを、タヤと呼んだのは一考に値する。由来....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
ないが、一人前の人格を認めなかった。阿波では同じく「間人」と書いてマニンと呼び、
半人前の人格をしか認められなかった一階級があった。やはり水呑百姓の徒である。藩か....