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「半壊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半壊の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おさん」より 著者:太宰治
になり、とても親子四人(その頃はマサ子の他に、長男の義太郎も生れていました)その半壊の家に住みつづける事が出来なくなりましたので、私と二人の子供は、私の里の青森....
第五氷河期」より 著者:海野十三
た。 なにしろ、思いがけない大地震のため、堅牢を誇っていた警視庁は、無残にも、半壊してしまった。 そういうわけだから、東京全市にわたって、倒壊家屋は数しれず....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
まいか。 青空を又押上げる? 地震に居残った旧式の大建築、又は最新式の丸潰れや半壊れのすき間すき間を、丸の内一面にバラックが建て込んでいる。 そのうち七割は....
私たちの建設」より 著者:宮本百合子
負傷者 三一四、〇四一名 家屋全焼全壊 二、三三三、三八八戸 家屋半焼半壊 一一〇、九二八戸 罹災者 八、〇四五、〇九四名 空襲被害の比....
英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
と、アンは叫んだが、そのまま速力をゆるめないで驀進した。その辻のところでは、半壊の建物から、また、ばらばらと石塊がふってきた。アンは、ハンドルの上に首を縮め....
空中漂流一週間」より 著者:海野十三
転をしていた兵隊が未熟のためか周章ててハンドルを切り間違え、あべこべにトラックは半壊家屋の支柱に衝突し、轟然たる音響とともに、とうとうその半壊家屋を潰してしまっ....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
おなじ淵に身を投げた、優しい姉さんのようにも思われた。余程どうかしていたんだね。半壊れの車井戸が、すぐ傍で、底の方に、ばたん、と寂しい雫の音。 ざらざらと水が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
つとめなければならない。それには、どうしても、いま現に利用しつつあるところのこの半壊の囲炉裡《いろり》を修理して、これに格子か、或いは櫓《やぐら》を載せて、そう....
上海の渋面」より 著者:豊島与志雄
近くに難民区があるのには驚かれる。此処にもアンペラ小屋のものもあるが、戦禍による半壊の家屋を使用してる者が多いのは幸で、世帯整理もよく行届き、長春里第×号などと....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
カカワリのないものだ。秋田県の山村で、車窓から見た小学校の建物などは、爆撃直後の半壊の小学校よりも甚しく、正視に堪えないものがあった。窓のガラスもなく、片手で押....
回想録」より 著者:高村光太郎
来ているので、後で毀すのに困ったらしく、神田明神のお祭の時にひどい暴風があっても半壊のままだったらしい。父がそんな見世物に手を貸してやっていたことなど、幸田露伴....
わが母を語る」より 著者:上村松園
んなめくられてしまうという騒ぎ。火事がおさまってみると、表口は何ともないのに奥は半壊の状態で、雨もりはする、とてもここに住めないというので、半丁程はなれた知合い....
私本太平記」より 著者:吉川英治
よりつい一年前にあの鎌倉幕府滅亡の大戦災をみていたことであるから、ここも例外なく半壊同様な寂れであったにはちがいない。それとさきにも書いたが、宮がこの一年を土牢....
硝子を破る者」より 著者:中谷宇吉郎
た。持ち運びの出来る器械類を盗んで行くのは仕方ないとして、全く不必要に窓硝子を大半壊している。大型の器械は、中の真空管だの測器だのという部分品だけを盗《と》って....