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「半幅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半幅の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
氷蔵の二階」より 著者:宮本百合子
でもこの部屋、ひどいのね昼間見ると――そこの硝子どうやったらあくの」 志野は、半幅帯をちょっきり結びにしながら、上眼で部屋を見廻した。 「どこ?」 「表のさ、....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
らしい下げ髪に直していた。紫の矢がすり銘仙の着物を短く裾あげして、その上に真赤な半幅の帯をしめ、こげ茶色の長い袴をはいた。そして白たびを脱ぐと、彼の方にお尻をむ....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
ました。 目の前へ――水が、向う岸から両岐に尖って切れて、一幅裾拡がりに、風に半幅を絞った形に、薄い水脚が立った、と思うと、真黒な面がぬいと出ました。あ、この....
電車の見えない電車通り」より 著者:宮本百合子
すぎた。 その晩は、仕事のために半徹夜をして、あくる朝目がさめると、私は後手で半幅帯をしめながら二階を下り、 「――どうした? 電車――」 と茶の間に顔を出し....
青春」より 著者:宮本百合子
り、お客様のときは御給仕役もまわって来た。久留米絣の元禄袖の着物に赤いモスリンの半幅帯を貝の口に結んだ跣足の娘の姿は、それなり上野から八時間ほど汽車にのせて北へ....
なつかしい仲間」より 著者:宮本百合子
いけれど、その次に会ったときのおけいちゃんは、下谷の芸者であった。白い縞の博多の半幅帯をちょっとしめて、襟のかかったふだん着に素足で、髪もくるくるとまいたままで....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
上げました。風で風鐸は鳴っているし。私は、紺絣の着物をきてその座敷にいるのです、半幅帯をチョコナンとしめて。 頬杖をつくようにして待っていたけれど、あなたはい....