半時[語句情報] » 半時

「半時〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半時の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
とど》めを刺していた。――「海軍××学校教官の余技は全然文壇には不必要である」!半時間もかからずに書いた弔辞は意外の感銘を与えている。が、幾晩も電燈の光りに推敲....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
では、何ものかが、「走れ、走れ」とささやいている。ただ、一時《いっとき》、ただ、半時《はんとき》、走りさえすれば、それで万事が休してしまう。彼のする事を、いつか....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
輪を作って、この不思議な加持《かじ》のし方を眺めている私どもには、かれこれものの半時もたったかと思われるほどでございましたが、やがて沙門が眼を開いて、脆いたなり....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
か? 小説家 ええ、五時の急行に乗る筈なのです。 編輯者 するともう出発前には、半時間しかないじゃありませんか? 小説家 まあそう云う勘定《かんじょう》です。 ....
煙管」より 著者:芥川竜之介
にとられた了哲を、例の西王母《せいおうぼ》の金襖の前に残しながら。 それから、半時《はんとき》ばかり後《のち》である。了哲は、また畳廊下《たたみろうか》で、河....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
、余り速力を早めずに堤の上を通り越した。保吉の捉える下《くだ》り列車はこれよりも半時間遅いはずだった。彼は時計を出して見た。しかし時計はどうしたのか、八時十五分....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
ました。それから、――どうです。欲と云うものは恐しいではありませんか? それから半時《はんとき》もたたない内に、あの夫婦はわたしと一しょに、山路《やまみち》へ馬....
或る女」より 著者:有島武郎
ねんと突っ立ったまま、池の中の蓮《はす》の実の一つに目を定めて、身動きもせずに小半時《こはんとき》立ち尽くしていた。 八 日の光がとっぷりと隠れてしまって....
或る女」より 著者:有島武郎
なく天井の木目《もくめ》を見やっているのも、珍しい事のように快かった。 やや小半時《こはんとき》もそうしたままでいると、帳場でぼんぼん時計が九時を打った。三階....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
が》った額からは汗の玉がたらたらと流れ出た。それが仁右衛門には尊くさえ見えた。小半時《こはんとき》赤坊の腹を撫で廻わすと、笠井はまた古鞄の中から紙包を出して押い....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
するに」 二人はわざと意趣に争ってから、妹はとうとう先に寝る事にする。君はなお半時間ほどスケッチに見入っていたが、寒さにこらえ切れなくなってやがて身を起こすと....
追憶」より 著者:芥川竜之介
突き倒したりしたものである。僕も一度は擲られた上、習字のお双紙をさし上げたまま、半時間も立たされていたことがあった。こういう時に擲られるのは格別痛みを感ずるもの....
親子」より 著者:有島武郎
事とを父は注意し始めた。それは懇ろというよりもしちくどいほど長かった。監督はまた半時間ぐらい、黙ったまま父の言いつけを聞かねばならなかった。 監督が丁寧に一礼....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
御談義だ。あの手合はあんな事さえ云ってりゃ、飯が食えて行くんだと見えらあ。物の小半時も聞かされちゃ、噛み殺して居た欠伸の御葬いが鼻の孔から続け様に出やがらあな。....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
杜子春はたった一人、岩の上に坐ったまま、静に星を眺めていました。するとかれこれ半時ばかり経って、深山の夜気が肌寒く薄い着物に透り出した頃、突然空中に声があって....