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半月
「半月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
寺の門の前で、会う事になっていると言うじゃないか。それで、お前さんのにいさんには
半月近くも、顔は合わせないようにしているとね、太郎さんがこんな事を知ってごらん。....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
どちらでも善かった。が、重吉は舅《しゅうと》よりも寧《むし》ろお鈴の思惑を考え、
半月形の窓越しに熱心に事務員と交渉した。
「実は手遅れになった病人だしするから、....
「冬」より 著者:芥川竜之介
でいるのは共同便所にそっくりだった。面会室の正面にこれも狭い廊下《ろうか》越しに
半月形《はんげつがた》の窓が一つあり、面会人はこの窓の向うに顔を顕《あら》わす仕....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
ほんのその当座だけで、いつでも「一合位は」からだんだん枡数《ますかず》がふえて、
半月とたたない中に、いつの間にかまた元の杢阿弥《もくあみ》になってしまう。それで....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
節があるであろう。」と、やさしく御慰めになったそうでございます。ところがそれから
半月とたたないある日の事、中御門の少納言は、堀川の御屋形《おやかた》の饗《さかも....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
り逞《たくまし》くしながら、彼と釣りに行く約束があった事さえ忘れ果てて、かれこれ
半月ばかりの間というものは、手紙こそ時には書きましたが、あれほどしばしば訪問した....
「河童」より 著者:芥川竜之介
う硝子《ガラス》会社の社長などもやはりこの部屋へ顔を出したものです。しかし最初の
半月ほどの間に一番僕と親しくしたのはやはりあのバッグという漁夫《りょうし》だった....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
いたんです。気がなさそうに長火鉢の前に、寝てばかりいるようになってから、かれこれ
半月にもなりましたかしら。……」
ちょうど薬研堀《やげんぼり》の市《いち》の立....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
っきりになっているんだが、………」
「宿は日本人|倶楽部《くらぶ》に話してある。
半月でも一月でも差支えない。」
「一月でも? 常談言っちゃいけない。僕は三晩泊め....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
僕の妻《さい》なぞはその当座、こう云ってはあいつをひやかしたものだ。それからまた
半月ばかりの後《のち》、千枝子夫婦は夫の任地の佐世保《させほ》へ行ってしまったが....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
―それから如来の偈《げ》を説いたことは経文《きょうもん》に書いてある通りである。
半月《はんつき》ばかりたった後《のち》、祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》に参った給孤....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ことです。
半之丞の豪奢を極《きわ》めたのは精々《せいぜい》一月《ひとつき》か
半月《はんつき》だったでしょう。何しろ背広は着て歩いていても、靴《くつ》の出来上....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の叔父《おじ》さんとか云う人も、やっぱり十二指腸の潰瘍《かいよう》だったけれど、
半月ばかりで癒ったと云うしね、そう難病でもなさそうだからね。――」
慎太郎は今....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
を歩いて行ったのです。けれどもあの赤蜂はもうどこかへ行っていました。
それから
半月《はんつき》ばかりたった後《のち》です。僕はどんより曇っているせいか、何をす....
「夢」より 著者:芥川竜之介
の上に横たわったモデルはやはり眉毛《まゆげ》さえ動かさなかった。わたしはかれこれ
半月の間、このモデルを前にしたまま、捗《はか》どらない制作をつづけていた。が、わ....