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半熟
「半熟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半熟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
憤然と梅干を頬張り、食慾は十分に旺盛のようである。 「さとは、どう思うかねえ。」
半熟卵を割りながら、ふいと言い出した。「たとえば、だね、僕がお前と結婚したら、お....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
と言った――その何なんですよ、芸妓の口が血だらけになっていたんだとさ。生々とした
半熟の小鳥の血です。……とこの話をしながら、うっかりしたようにその芸妓は手巾で口....
「斜陽」より 著者:太宰治
宿屋に走って行き、そこのおかみさんに頼んで、鶏卵を十ばかりわけてもらい、さっそく
半熟にしてお母さまに差し上げた。お母さまは
半熟を三つと、それからおかゆをお茶碗に....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
仕事がいくぶんでも能率を上げることができれば、少なくも自身にとっては下手な芸術や
半熟の哲学や生ぬるい宗教よりもプラグマティックなものである。ただあまりに安価で外....
「小春」より 著者:国木田独歩
る情に堪えなかった。 時は忽然として過ぎた、七年は夢のごとくに経過した。そして
半熟先生ここに茫然として半ば夢からさめたような寝ぼけ眼をまたたいている。 午後....
「本困坊・呉清源十番碁観戦記」より 著者:坂口安吾
まわしているから、さては持参の卵とリンゴを探しているな、と女中が察して、 「卵は
半熟が用意してございます。リンゴもおむき致しましょうか」 「えゝ、朝はね」 と....
「呉清源」より 著者:坂口安吾
て、熱心に中をかき廻している。さすがに敏感な旅館の女中が、それと察して、 「卵は
半熟の用意がございます。リンゴも、お持ち致しましょうか」 と云うと、 「えゝ、....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ら、飜訳文なるものは大抵ゴツゴツした漢文|崩しやあるいは舌足らずの直訳やあるいは
半熟の馬琴調であって、西文の面影を偲ぶに足らないは魯か邦文としてもまた読むに堪え....
「美味放談」より 著者:北大路魯山人
ていた。ところがこの司令部へ持って来る親子丼がうまい。変な話だが、その卵がいつも
半熟で加減がいいんだね。あれは今でも不思議に思っている。も一つ朝鮮の食い物で記憶....
「鮪の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
くる。透明な茶は乳白色になり、醤油もまじって茶碗の中にこもってくる。 まぐろを
半熟以上に熱しては、美味は失われてしまう。 もっと味を濃くしたい人は、ここで茶....
「料理メモ」より 著者:北大路魯山人
い加えること。 *ロースやヒレを食う時は肉の両面を焼くべからず。必ず片面を焼き、
半熟の表面が桃色の肉の色をしているまま食べること。 *豆腐、ねぎ、こんにゃくなど....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ますまいけれど、どうぞ!」 と妹の勧めてくれるおいしい裸麦の麺麭や、カルパス、
半熟卵、チーズだとか果物、さっきのような強い珈琲……どんなに生き返ったような気が....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
れば、上り湯もない。歪形のペシャンコの亜鉛の洗面器が一つ放ったらかしで、豆電灯が
半熟れの鬼灯そのまま、それも黄色い線だけがWに明ってるだけだから驚いた。それにし....
「鮑の水貝」より 著者:北大路魯山人
ブツブツ切り、熱湯にサッと入れ、上皮の部分を熱湯に通して中は生のような、つまり、
半熟につくり、それにレモン酢をつけて食べる。この方法もよろしい。しかし、ものの味....
「すき焼きと鴨料理――洋食雑感――」より 著者:北大路魯山人
ューやってスープを取っている。 早速、ボーイが私たちのところへ持って来た鴨は、
半熟にボイルしてあり、二十四万三千七百六十七番という由緒を示す番号札が添えてあっ....