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「半片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半片の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
鶏卵《けいらん》と一合のソップと麺麭《パン》がついているだけであった。その麺麭も半片の二分ノ一と分量はいつのまにか定められていた。 津田は床の上に腹這《はらば....
追慕」より 著者:宮本百合子
て郷愁がさせる業でもなければ、感傷主義の私生児でもない。其は確だ。一つでも、その半片でも、人間が受けている、或は受けなければならない苦難を知ると、その一点を中心....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
附合|浚《さら》いに連れ廻った。鉄砲町の百瀬《ももせ》という接骨医の裏にいたが、半片《はんぺん》を三角にきって煮附《につ》けたお菜をわけてくれて、絵|硝子《ガラ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
らと、だんだん後へさがって座るのだが、お豆腐ぎらいのために母が内密《ないしょ》で半片《はんぺん》にしてくれると、ちゃんと知っている。だから私はすべて襖《ふすま》....
対話」より 著者:宮本百合子
は違う間違いですね。学舎の壁は火で煤け、天井はやっと夜露を凌ぐばかりだが学者達は半片の紙、半こわれの検微鏡を奇蹟のように働かせて、真理へ一歩迫ろうとしています。....
丹下左膳」より 著者:林不忘
うちひとりが敵の手中におちて書状の一片を取りあげられたところで、敵は、もう一つの半片をも得ない限り、そこになんら貫徹した文章を読むことができず、二人を離して派遣....
見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
いもよらぬまじめな眼光をした。 「全く本当に」と彼が言った。「これは重大なんだ。半片の菓子パンの様に重大なんですよ。菓子パンのように金子もかかるし、不消化だし、....
水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
ませんでした。その後一ヶ月ほど致しまして、私は広間の暖炉の灰の中から英文の手紙の半片を拾いました。ストーアブリッジの硝子商ジョン・ホワードから、ドーブレク代議士....
日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
る味というものはないようである。大根の味でも、豆の味でも、一尾のいわしの味でも、半片のまぐろの味も、到底、人為的には作り得るものではないのである。 料理通のひ....