半獣[語句情報] » 半獣

「半獣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半獣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
坑夫」より 著者:夏目漱石
らない気持であった。一口に云うと、自分はこの時始めて、真面目な宗教心の種を見て、半獣半人の前にも厳格の念を起したんだろう。その癖自分はいまだに宗教心と云うものを....
号外」より 著者:国木田独歩
ういう奇抜な事を言った事がある。 「モシできる事なら、大理石の塊のまん中に、半人半獣の二人がかみ合っているところを彫ってみたい、塊の外面にそのからみ合った手を現....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ことが! ここに……、いまその洞窟のかなたには悪魔の尿溜がある。しかもそこが、半獣児ドドの発生地に目されている。 「どうだ君、|悪魔の尿溜なら何億年も処女でい....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
な物語である。ロンドンは又、「アダム以前」という作品で、人間の原始生活を描写し、半獣生活に現代の過剰文化からの逃れ路を暗示している。 その外、以上の点を基本と....
征服の事実」より 著者:大杉栄
で、他の集団と接触することもなく、したがって何の煩わされることもなく、その単純な半獣的存在を続けた。今日なお世界の各地に残っている原始人種はすなわちこれである。....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
力あるものか、しからざれば人間の保護によるものであると付け加えている。そして半人半獣の怪物が現存し得ざるゆえんを説いているのである。 次には原始人類の生活状態....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
以て見下して居た。 始めて恭吉の容貌と挙動が人に勝れて居るのに気付くと共に此那半獣の様な男が自分の生涯の道連れであると云うのは余りみじめな、※子に対しても恥か....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
と問われると私にも分らないが、しかし例えばある神性と同時にある狂暴性を具えた半神半獣的のビーイングの歓喜の表現だと思って見ると、そう思えない事はない。 私は遠....
「自然」」より 著者:豊島与志雄
反撥的なものなのか。或は、人間の自然に対する憧憬渇仰の念が深いのか。 私は半人半獣のことを思う。ミノトール、サントール、スフィンクス、人魚、フォーヌ、サチール....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》、隅《すみ》がやや脹《ふく》れてる利発な逸楽的な口、パルメジアニノ式の純潔な小半獣神みたいな微笑、それから長い細《ほっ》そりした首、ほどよく痩せた身体をもって....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
すだけの道具で、人を殺すぐらいカンタンなものはありやしない。人間が全然無智蒙昧な半獣人のころから、丸太ン棒一本あれば人を叩き殺すぐらい面倒はいらなかったものだ。....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
を備うるものなれば、時にこれしきの罪業《ざいごう》をするのは免《まぬか》れぬと、半獣性《はんじゅうせい》の欠点に富めることをいいあらわすに用《もち》いられる。か....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
はないのである。小林一三さんの道楽である。もっぱら茶人とか俳人という現代に於ける半獣半神的人物が神つどいを催す席で、難民たちの多くはその存在すらも知らないなア。....
遠藤(岩野)清子」より 著者:長谷川時雨
やはり荒木郁子さんの骨折りで、昨年、知友によって立派な墓石が建てられた。この人の半獣主義、刹那《せつな》哲学、新自由主義は、文芸愛好者の、あまりにもよく知ってい....
イグアノドンの唄」より 著者:中谷宇吉郎
ン氏の案内人の一人は、二年前にこのヤティに遭《あ》ったといっているが、それは半人半獣の怪物で、背丈は五呎六吋くらい、全身赤味がかった栗色《くりいろ》の毛で蔽《お....