半玉[語句情報] »
半玉
「半玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
うぜんちりめん》の衣裳《いしょう》を来て、斑《まだ》らに白粉《おしろい》をぬった
半玉《はんぎょく》などが、引断《ひっきり》なしに、部屋を出たり入ったりした。鼓や....
「デカダン抗議」より 著者:太宰治
の勲章祝いのときであった。芸者が五人、やって来た。婆さんが一人、ねえさんが二人、
半玉さんが二人である。
半玉の一人は、藤娘を踊った。すこし酒を呑まされたか、眼もと....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
出なけりゃアならなくなったし、そうそうお前のことばかりにかまけてはいられないよ。
半玉の時じゃアあるまいし、高が五十円か百円の身受け相談ぐらい、相対ずくでも方がつ....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
見に来るという騒ぎさ。その騒ぎが大きくなりすぎたと思われる頃になると、鈴江という
半玉みたいな女給が青い顔をして皆のところへやって来る。「あたい、気味がわるいから....
「家」より 著者:島崎藤村
実の机の上には、何処の料理店で式を挙げて、料理は幾品、凡そ幾人前、酒が幾合ずつ、
半玉が幾人、こう事細かに書いた物が用意してあった。 「時に、銚子を持つ役ですが」....
「家」より 著者:島崎藤村
でサ。私が河蒸汽で吾妻橋まで乗って、あそこで上ると、ヒョイと向島に遭遇しました。
半玉を二三人連れて……ちっとも顔を見せないが、どうしたか、この雪にはそれでも来る....
「葉」より 著者:太宰治
晩のことでございました。芸者衆がたくさん私の家に来て居りまして、ひとりのお綺麗な
半玉さんに紋附の綻びを縫って貰ったりしましたのを覚えて居りますし、父様が離座敷の....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、それについて、お前さん――あなたの前だけども、お友だちの奥さん、京千代さんは、
半玉の時分、それはいけずの、いたずらでね、なかの妹(お民をいう)は、お人形をあつ....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
、パアマネント・ウエーヴをした職業婦人、もっさりした洋髪の娼妓、こっぽりをはいた
半玉、そして銀杏返しや島田の芸者たち……高下駄をはいてコートを着て、何ごとかぶつ....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
ちにその金を煙にしてしまって、小鉄が小学校を卒業すると同時に、横浜のある芸妓屋へ
半玉にやった。小鉄もこのおふくろのためには随分苦しめられたらしいんですが、おふく....
「青春論」より 著者:坂口安吾
草の染太郎というウチで淀橋太郎氏と話をした。この染太郎はお好み焼屋だが、花柳地の
半玉相手のお好み焼と違って、牛てんだのエビてんなどは余り焼かず、酒飲み相手にオム....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
ソクの明りが薄暗いせいもあるが、多勢に無勢、一々の美醜を念頭にとめるヒマもない。
半玉が一人。若い美人も、婆さんも、年増もいるし、洋装も三人いる。 ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
太夫の若い妓をかこっているそうだ。さらに驚くべきことには、十八の金次が豆奴という
半玉とできているわ、十七の正平が染丸という姐さんに可愛がられているわ、出るわ、出....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
うが、それは詩や音楽の才能と相応ずるものではありません。 菊乃さんは越後長岡の
半玉時代に先生の酒席に侍って一筆書いてもらった。それを十七年間肌身はなさず持って....