半紙[語句情報] » 半紙

「半紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
し人|萩野半之丞《はぎのはんのじょう》の小包みを一つ受けとりました。嵩《かさ》は半紙《はんし》の一しめくらいある、が、目かたは莫迦《ばか》に軽い、何かと思ってあ....
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
前に、まず度《ど》の強そうな眼鏡《めがね》をかけた。封筒の中には手紙のほかにも、半紙に一の字を引いたのが、四つ折のままはいっていた。 「どこ? 神山さん、この太....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
何にももの静かな狂人だった。僕や僕の姉などに画を描いてくれと迫られると、四つ折の半紙に画を描いてくれる。画は墨を使うばかりではない。僕の姉の水絵の具を行楽の子女....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
りげなく言葉をかけました。「はあ、居ります。」「で、あなたは?」「御客様の御用で半紙を買いに――」――こう云うお敏の言葉が終らない内に、柳に塞がれた店先が一層う....
星座」より 著者:有島武郎
しんいっとうなにごとかならざらんようきのはっするところきんせきもまたとおる》」と半紙に書いて貼ってあった。 純次は博文館の日記を開いて鉛筆で何か書いているらし....
婦系図」より 著者:泉鏡花
と雫を払った、硯は顔も映りそう。熟と見て振仰いで、 「その、衣兜にあります、その半紙を取って下さい。」 「主税さん。」 「はあ、」 「ほほほほ、」とただ笑う。 ....
追憶」より 著者:芥川竜之介
三一 答案 確か小学校の二、三年生のころ、僕らの先生は僕らの机に耳の青い藁半紙を配り、それへ「かわいと思うもの」と「美しいと思うもの」とを書けと言った。僕....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
。」 客は、これより前、ちょっと買ものに出たのであった。――実は旅の事欠けに、半紙に不自由をしたので、帳場へ通じて取寄せようか、買いに遣ろうかとも思ったが、式....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
包の、御経を取出す間も遅し。さすがに心着いたのは、障子に四五枚、かりそめに貼った半紙である。 これはここへ来てからの、心覚えの童謡を、明が書留めて朝夕に且つ吟....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
と言う。……亡きあとでも、その常用だった粗末な手ぶんこの中に、なおざりにちょっと半紙に包んで、(桂坊へ、)といけぞんざいに書いたものを開けると、水晶の浄土|珠数....
あのころ」より 著者:上村松園
客さんの話を聞きながら、帳場の机に坐りこんで、硯箱の筆をとり出しては、母のくれた半紙に絵ばかりかきつけていました。 いつ来ても絵ばかりかいているので、お客さん....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
うまでもなかろう。 今日は方々にお賽銭が多い。道中の心得に、新しく調えた懐中に半紙があった。 目の露したたり、口許も綻びそうな、写真を取って、思わず、四辺を....
雪柳」より 著者:泉鏡花
しまいかと気にしながら、古本古雑誌の前に踞込んで、おやすく買求めて来ましたのが、半紙|綴八十枚ばかりの写本、題して「近世怪談録」という。勿論江戸時代、寛政、明和....
想い出」より 著者:上村松園
えず、もじもじしてたところへ丁度家から丁稚が使いに来ましたので、私はその丁稚に、半紙に波の模様のある文久銭を六つならべて描き、「これだけもろうてきて」と母にこと....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
何ごとも変らないのに違いない。僕もまた僕の小学時代には鉄面皮にも生薬屋へ行って「半紙を下さい」などといったものだった。 僕等は門並みの待合の間をやっと「天神様....