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半被
「半被〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半被の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藁草履」より 著者:島崎藤村
つげっと》を掛けて、蹴込《けこみ》には緋《ひ》の毛皮を敷き、五人の車夫は大縫紋の
半被《はっぴ》を着まして、前後に随《したが》いました。殿下は知事の御案内で御仮屋....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ている。というのは、この訓導はもともと禰宜の出身だからであった。子供にはそろいの
半被を着せよ、囃子仲間は町を練り歩け、村芝居結構、随分おもしろくやれやれと言い出....
「三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
上野駅へついたのは五時二十分前ほどであった。ガランと広い出口のところに宿屋の
半被《はっぴ》を着た男が二人、面白くもない顔つきでタバコをふかしながら、貧乏ゆす....
「夜の靴」より 著者:横光利一
達な顎や口元が、若若しい精気に満ち、およそ田畑とは縁遠い、ぬらりとした気詰りで、
半被を肩に朝湯にでも行きそうだ。 「おれは金はない。金はないが、あんなものは入ら....
「風俗時評」より 著者:豊島与志雄
む。否、これは好みではなくて、既に身嗜みの一つであろう。羽二重の裏をつけた木綿の
半被をひっかけ、素足に草履をつっかける、そうしたいなせな風姿が昔は市民の風俗のな....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
いて来る、火の一点あり。事実、空間に大きく燃えたが、雨落に近づいたのは、巻莨で、
半被股引真黒な車夫が、鼻息を荒く、おでんの盛込を一皿、銚子を二本に硝子盃を添えた....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
」 「おお、これからの、」 という処へ、萌黄裏の紺看板に二の字を抜いた、切立の
半被、そればかりは威勢が可いが、かれこれ七十にもなろうという、十筋右衛門が向顱巻....