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半裸
「半裸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半裸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
に押しあける音がする。正直な満蔵は姉にどなられて、いつものように帯締めるまもなく
半裸で雨戸を繰るのであろう。 「おっかさんお早うございます。思いのほかな天気にな....
「河明り」より 著者:岡本かの子
が、どこの種族とも見受けられない、黒光りや赫黒い顔をして眼を炯々と光らせながら、
半裸体で働いている。躯幹は大きいが、みな痩せて背中まで肋骨が透けて見える。あわれ....
「見えざる敵」より 著者:海野十三
代って、繁華な南京路の往来では、俄かに騒ぎがはじまった。ショーウインドーの中で、
半裸体になった紳士が、いかがわしい動作を通行人に見せているというので、たいへんな....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
しッ、しッ。 曳声を揚げて……こっちは陽気だ。手頃な丸太棒を差荷いに、漁夫の、
半裸体の、がッしりした壮佼が二人、真中に一尾の大魚を釣るして来た。魚頭を鈎縄で、....
「火星兵団」より 著者:海野十三
んことを言っているのは、佐々君、君だよ」
そんなさわぎのうちに、とうとう不幸な
半裸体の警官が見つかった。彼は、すっかり官服も帽子も奪いとられて、草むらに倒れて....
「火薬船」より 著者:海野十三
葉で、臨検の挨拶をのべた。 そのとき、甲板にぞろぞろ出て来た船員たちの中から、
半裸の中国人が一人、前にでて、 「臨検はどうぞ御勝手に。その前に、船長がちょっと....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ズボンの水を絞ってはいた。腹から上は裸だった。何しろここは暑いところで、こうした
半裸体の労働者が多いので、これで十分なのだった。 起重機のがらがらという音だの....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
が違ってしまう。そして頭の手入れもしないし、髭も生え放題に放って置くのだ。お前は
半裸体で、むやみと野外を駆けまわり、しまいには山の中へ隠れてしまうことさえあるの....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ろを御覧になったら、皇帝も笑わずにはいられまいて。」と、主人は大きい声で言った。
半裸体の酔いどれの女たちはどっと笑って、ラザルスの紫色の手に薔薇の花びらを振りか....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
らしながら、ぐいと上げた手を、貴婦人の頸へ巻いて、その肩へ顔を附ける…… その
半裸体の脇の下から、乳房を斜に掛けて、やァ、抉った、突いた、血が流れる、炎が閃め....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
で、そこにぶどうのつるが、みどりの指をやさしくからみあっていました。かわいらしい
半裸体のこどもらが、道ばたの香り高い月桂樹の林のなかで、まっ黒なぶたの群を飼って....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
じていると、あくる朝になってその亡骸が鐘ヶ淵に発見された。彼はきのうと同じように
半裸体のすがたで刀を背負って、ひとりの若い男と引っ組んで浮かんだままでいた。組み....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
家では容易に起きて来なかったが、その音におどろかされて隣りの家から四十前後の男が
半裸体のような寝巻姿で出て来た。かれは熊吉と一緒になって、倒れている女房を介抱し....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
今まで意識から抜け切って居た女がまだ部屋に居た。女は浴室から上ったらしい丈夫相な
半裸体のまま朝の食事を摂って居た。車付きの銀テーブルの上にキャビアの鑵が粉氷の山....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
工業地になった「本所の玄関」という感じを打ち込まなければ措かないものだった。僕は
半裸体の工夫が一人汗に身体を輝かせながら、シャベルを動かしているのを見、本所全体....