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半跏
「半跏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半跏の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「門」より 著者:夏目漱石
ち》の灰の中に細い線香を燻《くゆ》らして、教えられた通り座蒲団《ざぶとん》の上に
半跏《はんか》を組んだ。昼のうちはさまでとは思わなかった室《へや》が、日が落ちて....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
われをかくも惹きつけ、かくも感嘆せしめずにはおかない所以《ゆえん》の一つは、その
半跏思惟《はんかしゆい》の形相そのものであろうと説かれた浜田博士の闊達《かったつ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
キリの仏象がでてきました。古墳の主が朝夕拝んでいた持仏でしょうが一尺五寸ぐらいの
半跏像ですが、観音様だか何仏だか、ちょッと風変りで素性の知りかねるものであったそ....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
もので、幅二尺高さ七尺ばかり、上から三分の一までの部分は、ビルマ風の如意輪観音が
半跏を組んでいる繍仏になっていて、顔を指している右手の人差指だけが突出し、それに....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
三尊像や、所謂|百済観音像や、夢殿の救世観世音菩薩像、中宮寺の如意輪観音と称する
半跏像の如き一聯の神品は、悉く皆日本美の淵源としての性質を備えている。殊に夢殿の....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
、奇妙な微笑を口元に浮かべつつ、台上のところどころにたたずんでいる。岡寺の観音は
半跏の膝に肱をついて、夢みるごとき、和やかな瞑想にふける。それが弥勒であるとして....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
機をうかがっていたが、近づいていえる機はなかなかなかった。――誦経がすむと尊氏は
半跏趺坐(片あぐら)のかたちをとり、丹田(下腹)に印をむすび、呼吸をひそめて、い....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
子の地蔵信仰につながる証が何かなければならないがと思っていたら、はたして、木彫の
半跏地蔵像が本堂|脇にあった。 高サ六尺二寸、弘仁期のもので“子安地蔵”と呼ば....