半透明[語句情報] »
半透明
「半透明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
半透明の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
、白葡萄酒のコップとウイスキイのコップとが、白いテエブル・クロオスの上へ、うすい
半透明な影を落して、列車を襲いかかる雨の音の中に、寂しくその影をふるわせている。....
「或る女」より 著者:有島武郎
たなく眠っていた。戸板の杉《すぎ》の赤みが鰹節《かつおぶし》の心《しん》のように
半透明にまっ赤《か》に光っているので、日が高いのも天気が美しく晴れているのも察せ....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
はならぬ。この条件に最も適合したものは行灯《あんどん》であった。機械文明は電灯に
半透明の硝子《ガラス》を用いるか、或いは間接照明法として反射光線を利用するかによ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
けれど、暫く見ているうちに、その室内にモヤモヤと立ちこめている霧のようなものが、
半透明な身体を持った異様な生き物の集団であることに気がついたのであった。その数は....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
布で体を拭いた。ポッと紅味が潮して来た。瑪瑙の仙女像が出来上がった。その仙女像は
半透明であった。 まことに仙女の水浴であった。邪心の起こるべき光景ではなかった....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
も今が始めてだ。錆びた針が、爪の根の白い三日月にまでつきさゝった。紫ずんだ血が、
半透明の爪の下に、にじんでいた。 「こんな奴にちやほやする青二才があるから、のさ....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
をするとよいのです。あるいは淡い、絵具を二、三回も重ねて、重く濃厚な部分や、軽く
半透明な場所なども作るのです。すると、ガラス特有の味が出るものです。 顔料につ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
とが出来る。蛍や人魂が夏に飛んでくるのも、西瓜やトコロ天が店さきに並ぶのもみな、
半透明の誘惑であり結構な避暑のモティフである。瀧は水であってなおかつ光を兼ねてい....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
す工夫をするとよいのです。或は淡い、絵具を二三回も重ねて、重く濃厚な部分や、軽く
半透明な場所なども作るのです。すると、ガラス特有の味が出るものです。 顔料に就....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
私の周囲にはかの石川|五右衛門が浜の真砂と称した所のその真砂と共に、黒、白、鼠、
半透明、紺、青、だんだら染等の潮にさらされたる滑かにも美しき小石がざらに落ちてい....
「河霧」より 著者:国木田独歩
わが生涯の流れももはや限りなき大海近く流れ来たのを感じた。われとわが亡友との間、
半透明の膜一重なるを感じた。 そうでない、ただかれは疲れはてた。一杯の水を求め....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
視野のうちに妙なものを見つけ出した。妙なものを?――と云うのは絶えずまわっている
半透明の歯車だった。僕はこう云う経験を前にも何度か持ち合せていた。歯車は次第に数....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
月夜に立った。月夜にムーッと立ち上がった砂塵は、時ならぬ煙りの壁と見てよかろう。
半透明の煙りの壁をへだてて、紋也と兵馬とが向かい合い、美作とお粂とが向かい合って....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
衆に囲まれた広場の、博士の足もとの地上に、はじめはかすかに、それから少しずつ……
半透明の人の形をした物が姿をあらわし、まもなく、若い男の裸の傷だらけの体がよこた....
「洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
淡泊で、調子の高いものが含まれている。薄紅を誘って、ほのぼのとした白さをもち、大
半透明なところで打ち止めている。その肉の色を見ただけでも、食味の機能はおのずから....