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「半開〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

半開の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
を見上げたまま、紅の濃い口もとに微笑を浮かべ、誰《たれ》かに合い図でもするように半開きの扇をかざしていた。……… 「おい、君。」 僕は驚いてふり返った。僕の後....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
おと》の高まるが早いか、左から雪がしまいて参りました。わたくしは咄嗟《とっさ》に半開きの傘を斜めに左へ廻しました。数馬はその途端《とたん》に斬《き》りこみました....
蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
「バタはまだ。とどいているのはソウセェジだけ。」 そのうちに僕等は門の前へ――半開きになった門の前へ来ていた。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
なって、コトコト跫音が早くなった。階子段の裏を抜けると、次の次の、応接室の扉は、半開きになって、ペンキ塗の硝子戸入の、大書棚の前に、卓子に向って二三種新聞は見え....
妖術」より 著者:泉鏡花
取って、時ならぬ錦木が一本、そこへ植わった風情に、四辺に人もなく一人立って、傘を半開き、真白な横顔を見せて、生際を濃く、美しく目迎えて莞爾した。 「沢山、待たせ....
階段」より 著者:海野十三
のを認めた上、図書室の扉を押して入ったが其所には誰も居なかった。廊下へ通ずる扉が半開きになっているのが鳥渡気になった。僕はそのまま螺旋階段を二階へ上って行くと、....
柿色の紙風船」より 著者:海野十三
りかえした。私はチラリと彼の顔を見たが、彼は口をだらしなく開いて、眼は睡むそうに半開になっていた。彼は私の大それた計画に爪ほども気がついていないらしかった。私は....
春昼」より 著者:泉鏡花
、三十ばかりなのと、機を織る婦人の姿を二人見た。 その少い方は、納戸の破障子を半開きにして、姉さん冠の横顔を見た時、腕白く梭を投げた。その年取った方は、前庭の....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
たちまち、この時、鬼頭巾に武悪の面して、極めて毒悪にして、邪相なる大茸が、傘を半開きに翳し、みしと面をかくして顕われた。しばらくして、この傘を大開きに開く、鼻....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
に疎そうな独言。 大分日焼けのした顔色で、帽子を被らず、手拭を畳んで頭に載せ、半開きの白扇を額に翳した……一方雑樹交りに干潟のような広々とした畑がある。瓜は作....
南地心中」より 著者:泉鏡花
ととん、すととん、と太鼓を敲いて、猿を踊らしていた小僧を、御寮人お珊の方、扇子を半開か何かで、こう反身で見ると、(可愛らしいぼんちやな。)で、俳優の誰とかに肖て....
星女郎」より 著者:泉鏡花
もなく引提げていた、――重箱の――その紫包を白い手で、羅の袖へ抱え直して、片手を半開きの扉へかける、と厳重に出来たの、何の。大巌の一枚戸のような奴がまた恐しく辷....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
す。『まあ見事な百合の花……。』私は覚えずそう叫んで、巌間から首をさし出していた半開の姫百合を手折り、小娘のように頭髪に挿したりしました。 私がそうした無邪気....
三枚続」より 著者:泉鏡花
の助手に毎日世話になるのであったから、愛吉は猶予わず、ひょこひょこと進むと、戸が半開になっていたので、突然外科室へ首を突込こんだが、驚いて退った。 咄嗟の間、....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
たのが三十六年前であった。その頃は日本ばかりでなくて欧羅巴ですらが露西亜を北欧の半開民族視していたから、露西亜の文化なぞは問題とならなかった。露西亜の文学がポツ....