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卑吝
「卑吝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卑吝の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
ければならない。斉広には一方にそう云う弱みがあった。それからまた一方には体面上|
卑吝《ひりん》の名を取りたくないと云う心もちがある。しかも、彼にとって金無垢の煙....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
実入《みい》りがあるのに子分を憐まず、ためにデモ倉やプロ亀の反逆を来たしたことの
卑吝慳貪《ひりんけんどん》を並べ、そのくせ、自分はいっぱし仁術めかして聖人気取り....
「細木香以」より 著者:森鴎外
拾って帰り、水に洗い日に曝して自ら※み、出入の左官に与えなどした。しかし伊兵衛は
卑吝では無かった。某年に芝泉岳寺で赤穂四十七士の年忌が営まれた時、棉服の老人が墓....
「黄昏」より 著者:水野葉舟
ッとなった。で、自分一人でその金を払おうかと思ったが、この田舎漢《いなかもの》の
卑吝《けち》な奴達のお先に使われるような気がして止した。 で、そのまま傍を向い....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
に都下及び便利の地に住して衣喰するの人として决して知るべからざる事にして、かかる
卑吝を記するは或は耻ずるが如きも、然れども未開地に於て成効を方針とするに於ては、....
「それから」より 著者:夏目漱石
代り三千代に対しては一点も不徳義な動機を蓄えぬ積りであった。否《いな》、彼をして
卑吝《ひりん》に陥らしむる余地がまるでない程に、代助は三千代を愛した。けれども、....