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卓布
「卓布〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卓布の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
にしたマネージャーが、人を突きのけるようにして、かの女等親子を導いて、いま食卓の
卓布の上からギャルソンが、しきりにパン屑をはたき落している大テーブルへ連れて行っ....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
全然飜訳のできないものである。(昭和五年七月、渋柿) * 純白な
卓布の上に、規則正しく並べられた銀器のいろいろ、切り子ガラスの花瓶に投げ込まれた....
「写生紀行」より 著者:寺田寅彦
これほどいい材料はあるまい。しかし黒人になればたぶんただ一面のちゃぶ台、一握りの
卓布の面の上にでもやはりこれだけの色彩の錯綜が認められるのであろう。それほどにな....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
、これもまたリボンで飾り立てている二番目娘のベリンダ・クラチットに手伝わせて、食
卓布をひろげた。一方では、子息のピータア・クラチットが馬鈴薯の鍋の中に肉叉を突込....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ナコの夜の海岸が鳴らしていたのだ。オテル・ドュ・パリとCASINOのあいだに、食
卓布のように明るい灯火の小川と人々の笑い声があった。私と彼女は、理髪師のようなつ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
慣のあったことも、例の大陸朝飯を極度に排斥して、BEEFEXと焼き林檎と純白の食
卓布に可笑しいほど固執していたことも、趣味として、部屋では深紅のガウンを着ていた....
「雑記(Ⅱ)」より 著者:寺田寅彦
持がして何となく圧迫を感じるのである。それかと云って、もう少し気楽なところでは、
卓布や食器がひどく薄汚かったり、妙に騒々しかったり、それよりも第一料理が重苦しく....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
憂鬱を追払うように努力する。そういう時に、口からはなした朝日の吸口を緑色|羅紗の
卓布に近づけて口から流れ出る真白い煙をしばらくたらしていると、煙が丸く拡がりはす....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ごとなのは、立派な器を並べた食卓だけである。が、それも比較的の話である。とにかく
卓布はきれいだし、食器はぴかぴか光っている。じょうずに焼かれたパンが三いろに、葡....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
なく落付いて、互に献酬したり、或は手酌で……。食卓の列の、半ばから後は人がなく、
卓布と花と陶器とが淋しそう……。 その、座敷をすてた人々は、庭に散在していた。....
「奇怪な話」より 著者:豊島与志雄
達も奥に引込んで、カウンターに居残ってるのが、不愛想な投げやりな表情をしている。
卓布がいやにだだ白く、貧弱な花が淋しくゆれていた。こんななかでうまかろう筈もない....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
正面へ突然顔を出して危うく助かった事もあった。大きくなるに従って物を知りたがり、
卓布にこぼれた水が干上がるとどうなるかなどと聞いた。内気でそして涙|脆く、ある時....
「ある日の経験」より 著者:寺田寅彦
るように一同で連名の絵葉書をかいた。その時誰かの万年筆のインキがほんの少しばかり
卓布を汚したのに対して、オーバーケルナーが五マルクとかの賠償金を請求した。血気な....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
として占めていた。縁側寄りの中硝子の障子の前に文机がかたの如く据えてある。派手な
卓布がかかっている。その一事のみがこの部屋の主人の若い女性であるのを思わせている....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
向うには、広々と群青色の海の面が眺められます。 ここが食堂なのでしょう、清潔な
卓布をかけた長方形の卓子が据えられて、短いカーテンに掩われた食器棚や、戸棚や……....