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「卓抜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

卓抜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島木健作
なのである。広い額は、その昔は、その上に乱れかかっている長髪と相俟《あいま》って卓抜な俊秀な感じを見る人に与えたが、頭髪がうすくまばらになり、眉毛もそれとは見え....
生きている腸」より 著者:海野十三
人間よりも高等な生き物のような気がする」 と医学生吹矢は、ふと論理学を超越した卓抜なる所見を洩らした。 それからのちの医学生吹矢は、彼自身が生ける腸《はらわ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
今から一〇〇年以前におけるラプラス並びにウィリアム・ハーシェルの宇宙進化に関する卓抜な研究はしばらくおいて、ともかくも最近一〇〇年間のこの方面における収穫はその....
最終戦争論」より 著者:石原莞爾
法を模倣して来た日本は、まだ砂鉄精錬に完全な成功を収めなかった。最近は純日本式の卓抜な方法が成功しつつある。楢崎式の如き、それである。満州国の鉄の埋蔵量もすばら....
海底大陸」より 著者:海野十三
一つを、かれらが宇宙線を遮蔽しての四千年近くの生活に帰したのは、けだし、まことに卓抜な意見だというべきである。 「ああ、なるほど、宇宙線の遮蔽下の成長か――うむ....
新ハムレット」より 著者:太宰治
ような馬鹿なのだ。世界中の人間に、しんから敬服されたいものだ、僕の俊敏の頭脳と、卓抜の手腕と、厳酷の人格を時折ちらと見せて、あらゆる人間に瞠目させたい等と頬杖つ....
不審庵」より 著者:太宰治
申し上げた筈であるから、いまは繰り返して言わないけれども、私たち後輩に対して常に卓抜の教訓を垂れ給い、ときたま失敗する事があるとはいうものの、とにかく悲痛な理想....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
落下した訳である。 かくしてこの神曲「翁」披露能後に認められた翁の人格と芸能の卓抜さがその後引続いて如何に名誉ある活躍を示したか……そうしてその間に於ける翁の....
水仙」より 著者:太宰治
い。とにかく、殿様は、自分の腕前に絶対の信頼を置く事は出来なかった。事実、名人の卓抜の腕前を持っていたのだが、信じる事が出来ずに狂った。そこには、殿様という隔絶....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
然性に着眼したのは決して、ただの思いつきとして片づけることは出来ぬ。 彼は仲々卓抜な言葉を吐いている、「いったい純粋小説に於ける遇然(一時性もしくは特種性)と....
推理小説論」より 著者:坂口安吾
、解決をよんでも正しく納得させられない。 又「吹雪の山荘」に於ても、トリックの卓抜さはすでに述べた通りだが、一つ欠点があるのである。それは山荘の地点から、殺人....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
はなかろうが、その名が喧伝されていないのは、その手口の発見が教祖の名にかなうほど卓抜なものと認定されないせいかも知れない。なるほど、そう云えば、遠い国から志を立....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
は珍しくもないたかが浅間山のバクハツにすぎないのだし、命じるのは外国人のそう手腕卓抜とも思われぬ同業者にすぎないではないか。日本の男の子の面目まるつぶれというモ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
して見物した人々は、さすがに日本一の団十郎であると驚嘆して、みな口々にその伎倆の卓抜なるを讃美した。要するに、団十郎は芸において勝ち、興行において敗れたので、そ....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
よりどころに膠着するところがない。 恐れ多い話ではあるが、書道においても一世の卓抜的大家であらせられた、故久邇宮邦彦王殿下に対し奉り、ある時のこと、御用係某は....