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「卓然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

卓然の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
所があっても、この長所を傷ける短所があって、この短所を忘れ得せしむるだけに長所が卓然《たくぜん》としていない作物は、惜しいけれども文句がつきます。私はとくに惜し....
運命」より 著者:幸田露伴
して人に合せず、道に同じゅうして時に同じゅうせずと。孝孺の此言に照せば、既に其の卓然として自立し、信ずるところあり安んずるところあり、潜渓先生が謂える所の、特り....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
る時は、パピニアーヌスの説に従うべしと定めたのを見ても、当時の法曹中彼が占めたる卓然たる地歩を知ることが出来よう。しかしながら、吾人が彼を尊崇する所以《ゆえん》....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
芸術の神とも仰ぐ可き能楽家只圓翁が茶道に接すれば自然に紛々たる技巧の堕気を破つて卓然その神をこの茶杓の形に示現せしめしものと存候。(下略)」 又翁が博多北船の....
美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
後の芸術一般が持つ美には、それゆえ毎に無常迅速の哀感を内に孕み、外はむしろ威儀の卓然たるものがあった。猿楽は寺坊の間から起ってこれらの将軍と公卿との寵児となり、....
俳人蕪村」より 著者:正岡子規
おもんぱか》るところにあらず、美は簡単なりという古来の標準も棄《す》てて顧みず、卓然として複雑的美を成したる蕪村の功は没すべからず。 芭蕉の句はことごとく簡単....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
前に残りの月も淡く、尼連河のほとりに夜明けの風がさむざむと吹いているのである。)卓然高塔抜。 (ぬきでてたつ高い塔は林の丘にそびえ、釈迦の遺跡がそのままであるこ....