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「卓絶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

卓絶の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
茶の本」より 著者:岡倉覚三
わり、一六三八年にはロシアにまで達した。英国は一六五〇年これを喜び迎えて、「かの卓絶せる、かつすべての医者の推奨するシナ飲料、シナ人はこれをチャと呼び、他国民は....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
事する宗教家は決してセンチメンタリズムに終始する事は出来ない、否、むしろ宗教家程卓絶した理性を必要とするのではあるまいか。こんな理窟を並べて読者諸君を退屈させて....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
れて来た手力男の命にたとえたいような人もあった。その人の徳望と威力とは天下衆人に卓絶するものとも言われた。けれども、磐屋の前の暗さに変わりはない。力だけでは磐戸....
読書法」より 著者:戸坂潤
づけなのである。ロマンの本質がブルジョア社会の文学ジャンルであるというテーゼが、卓絶した真実であることは、リフシッツやグリーブやシルレルの討論によって解明されて....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
吹く事もある。また小奇用《こぎよう》で、何一ツ知らぬという事の無い代り、これ一ツ卓絶《すぐれ》て出来るという芸もない、怠《ずるけ》るが性分で倦《あき》るが病だと....
法窓夜話」より 著者:穂積陳重
大家、いずれも皆名ある学者であったが、就中《なかんずく》ハネフィヤの学識は古今に卓絶し、人皆称して「神授の才」といった。学敵シャフェイをして「彼の学識は学んで及....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
事を追懐する毎に、そうした感を深めて行くものである。 翁の偉大なる人格と、その卓絶したる芸風は、維新後より現在に亘る西洋崇拝の風潮、もしくは滔々たる尖端芸術の....
科学の常識のため」より 著者:宮本百合子
動いていると思う。人間の社会の歴史のある発達の段階では、アインシュタインのような卓絶した頭脳の人でも、やっぱり男としては女を見る従来のある先入観からまったく自由....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のあとをたずねて追いかけようかとさえ思わせたくらいです。 しかし、勘に於てこそ卓絶のものはあれ、眼は不自由の身であり、足は勘を力に、極めて堅実な歩みをとるほか....
生前身後の事」より 著者:中里介山
見た、ひが目ではなく、有ゆる方面を通じて、これを歴史に照してトルストイの偉大さは卓絶している、全世界の全人類史を通じて仮りに五人十人の偉人を挙げて見たところでト....
慶応義塾の記」より 著者:福沢諭吉
》たき、たまたま和蘭人に逢わばその実を質《ただ》せり。けだしこの人々いずれも英邁卓絶の士なれば、ひたすら|自我作古《われよりいにしえをなす》の業《わざ》にのみ心....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
地に乏しきに似たり。しかしてその急速の心中に、秀然として高く皓然として潔き、一種卓絶、万古不朽の元気ありて存す。その気発しては愛国の精神となり、凝りては尊王の忠....
三国志」より 著者:吉川英治
りといえど、所詮、夏侯淵が相手ではありますまい。彼は深く韜略に通じ、兵を用うるに卓絶し、機を見ること敏なり。曹操この故にこそ、彼を西涼の鎮守となし、今、漢中に出....