卓見[語句情報] » 卓見

「卓見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

卓見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
喝采」より 著者:太宰治
、一人一題、世にも幸福の物語を囁《ささや》き交わさむとの御趣旨、ちかごろ聞かぬ御卓見、私たのまれもせぬに御一同に代り、あらためて主催者側へお礼を申し、合せてこの....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
前にゼムリヤ号の船体はばらばらに解体していなければならんと思うのです」 「それは卓見だ。どうぞ、もっと君の意見を聞かせてもらいたいものだ」 博士は、水戸の説に....
もの思う葦」より 著者:太宰治
いったりすることがないともかぎらぬような事態にたちいたるので、デカルト、べつだん卓見を述べたわけではないのである。人は弱さ、しゃれた言いかたをすれば、肩の木の葉....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
よく知るものは、教育家でもなければ教育行政家でもなくて、正にこのブルジョア代表の卓見なのである。 だがこの卓見の内容には色々の動機が連関して含まれている。ブル....
球根」より 著者:寺田寅彦
んど天啓ででもあるように強く明らかに、無条件に真であって、しかもいずれもが新しい卓見ででもあるように彼には思われた。新聞の三面記事を読んでいる時でさえ時々電光の....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
と同じ世界が、他にもいくつも存在するであろうという考えが述べてある。これも一つの卓見であると言われよう。さように限りなき宇宙を一人の力で支配する神様はないはずだ....
時の観念とエントロピーならびにプロバビリティ」より 著者:寺田寅彦
ルツマンがこのような混乱系の内部の排置の公算をエントロピーと結びつけたのは非常な卓見で物理学史上の大偉業であった。プランクはさらにこれを無限な光束の集団に拡張し....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
めることであるとか、自己に忠実であるべきものだとか云われていて、夫が何か驚くべき卓見でもあるかのように感心されるのを見るからで、杉山平助ではないが、そんなことに....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
)の諸博士の業績がそれだ。尚、長岡博士や故寺田寅彦博士の地球物理学方面の独創的な卓見は興味あるものだし、東大の今村明恒、東北の中村左衛門太郎、九大の伊藤徳之助の....
外来語所感」より 著者:九鬼周造
性を擁護すべきであろう。故松田文相の外来語排撃の旗印は文教の府の首班として確かに卓見であった。我々はしかし文部省あたりの調査や審議に任せて安心しているわけにはゆ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
とを強調する、最後の一節に至りては、まことに活眼達識の士にして、初めて道破し得る卓見であると思う。この一節は、特に現世生活を穢土と罵り、途中の階段をヌキにして、....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
切万物の根元だといって、「さらば無明の一念より歌もいでくるなり」と確言している。卓見だね。きみもいつかこの『起信論』の忽然念起を挙げて衆生心にすべてをもとづけよ....
良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
品にはいささかも眼をくれず、一意最高書道に向かって進暢を計るかに見ゆるその態度と卓見は、徳川期の何人にこれを求むるも比類ないところである。これあってこそ良寛様の....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
御理解の深さに対して人々は渇仰するのであります。御理解の深さというよりは独創の御卓見と言った方が当っているのであります。つまり仏教に対する御実力であります。 ....
放免考」より 著者:喜田貞吉
との事で、それで放免と云ったのが一般の名称になったというのである。伊勢貞丈の如き卓見家ですら、なおかつこんな不徹底な説明に満足していたのだ。また谷川士清の「倭訓....