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協和音
「協和音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
協和音の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一つの芽生」より 著者:宮本百合子
速な優しみのある旋律で旋行して行くにつれて、全く、八度の重々しい低音の、男性的な
協和音程が息もつかせず強調して行く。そして、やがてd'の夢幻的な顫動《せんどう》....
「感覚と科学」より 著者:寺田寅彦
意識の間に安々と仕上げて、音の成分を認識すると同時に、またそれを総合した和弦や不
協和音を一つの全体として認識する。また目は、たとえば、リヒテンベルグの陽像と陰像....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
である。またあまりに美しい完全な和弦が連行すると単調になり退屈になるので適当な不
協和音を適当に插入《そうにゅう》することによって、曲の変化と活気が生じる。それと....
「「手首」の問題」より 著者:寺田寅彦
互いに著しく異なる特徴をもっている、それをいっしょに相戦わせることによってそこに
協和音のシンセシスが生ずる。しかしその場合の争闘相剋は争闘のための争闘ではなくて....
「今日の生活と文化の問題」より 著者:宮本百合子
十世紀に西洋音楽に深く影響して、オネガやストラヴィンスキーその他の音楽家たちが不
協和音を摂取するようになったし、文学でも即物的な要素を加えられた。 そのような....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
》が起こり、数の観念がうるさくつきまとって、床板や森の木などを数えた。彼は数字と
協和音との区別がつかなくて、その二つが頭の中で陣地を破って戦った。また時としては....
「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」より 著者:寺田寅彦
まう。完全和絃ばかりから構成されたものは音楽とはなり得ないように絵画でも幾多の不
協和音や雑音に相当する要素がなければ深い面白味は生じ得ないではあるまいか。特に南....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
」 第三主題はあきらめずにいつまでも走りまわり、第一主題と鉢合せをしてえらい不
協和音をだす。 「ざま見ろ」 そんなことをしているうちにバッハの〈平均律洋琴曲....
「昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
れられる。ダグラスの信用経済と新文学とを有機的にむすびつけようとする久野豊彦の不
協和音にも一つの席が与えられる。 だが、一定の期間がたつにつれて、この騒音と、....