南京玉[語句情報] »
南京玉
「南京玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
南京玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女」より 著者:芥川竜之介
ち誇っている蜘蛛の姿を照らした。灰色の繻子《しゅす》に酷似《こくじ》した腹、黒い
南京玉《ナンキンだま》を想わせる眼、それから癩《らい》を病んだような、醜い節々《....
「檸檬」より 著者:梶井基次郎
いどろという色|硝子《ガラス》で鯛や花を打ち出してあるおはじきが好きになったし、
南京玉《なんきんだま》が好きになった。またそれを嘗《な》めてみるのが私にとってな....
「クチマネ」より 著者:海若藍平
んが机の上に袋をあけると、中から青だの赤だの白だの紫だの金だの銀だの、数限り無い
南京玉が机上一面にバラバラと散らばって床の上にこぼれました。 「これ欲しいからこ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
名な老舗として知られていた。半七は顔を識っている番頭をよび出して、この三日の日に
南京玉を買いに来た田舎の人はなかったかと訊いた。 繁昌の店であるから朝から晩ま....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
を並べて遊んでいた。細かい人形、お茶道具、お釜に鍋やバケツに洗濯板、それに色紙や
南京玉、赤や黄や緑の麦稈のようなものが、こてこて取り出された。 「瑠美子にも分け....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
リストの襁褓《むつき》、ヴァンドームにキリストの涙、これは仏国革命の際、実検して
南京玉と判《わか》った。またローマに、日本聖教将来の開山ハビエロの片腕、ロヨラ尊....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
て衛生上害があるという理由で束髪が行われ初め、前髪も鬢も髦も引詰めて小さく結んで
南京玉の網を被せたのが一番のハイカラであった。 二十五年前には「国民之友」が漸....
「青草」より 著者:十一谷義三郎
しばしば周囲の人々の口に上った。歌津子がこまごまとした毛糸細工を贈ったり、小さな
南京玉の飾りを兄の胸へつけてやったりすることもたびたびあった。 弟は勝気な健康....
「花をうめる」より 著者:新美南吉
おび》のあいだにはさんでいる小さい巾着《きんちゃく》から、砂粒《すなつぶ》ほどの
南京玉《なんきんだま》を出しそれを花びらのあいだに配《はい》した。まるで花園に星....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
。 勝負に勝った連中が、その部屋へ行って飲むのである。 これも充分支那風の、
南京玉で鏤めた、切子型の燈籠が、天井から一基下っていて、菫色の光を落としているの....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
来てみると、ジノーヴィー・ボリースィチは寝床の上に両膝をつきながら、枕もとの壁に
南京玉の紐のついた自分の銀時計を掛けているところだった。 「こりゃ一体どうしたわ....
「随筆 寄席囃子」より 著者:正岡容
、甘泉、リキュール、フラン毛布、西洋料理と、明治開化の種々相が、皮相ではあるが、
南京玉をちりばめたように、惜しげもなく、随所に満ちあふれ、ふりこぼれている、あた....
「幽霊」より 著者:小野佐世男
に太いみみずが、たくさんうごめいていた。土の柔く盛り上っている所を棒でさぐると、
南京玉ほどの土蜘蛛が、ガサガサと音を立てて群り散った。こんな遊びに夢中になってい....
「善いことをした喜び」より 著者:小川未明
わいらしい鳴き音をたてるのでありました。 さよ子は、それでほおずきを買おうか、
南京玉を買おうか、それともなにかおままんごとの道具を買おうかと、いろいろ空想にふ....
「線香花火」より 著者:中谷宇吉郎
しながらよく見ると、丁度煙草を輪に吹いた時のような煙の輪の非常に小さいもの、まず
南京玉くらいの煙の輪が盛んに火球の表面から放出されているのが見えた。これは火花と....